【第4回】組織が壊れる本当の理由
問い:「全員が優秀だと、なぜ崩壊するのか?」

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「うちの社員は、みんな優秀で、真面目で、よく働きます。」
これは経営者にとって誇らしい言葉かもしれない。
でも私は、ふとこう思ってしまう。「それ、本当にいい兆候だろうか?」と。

■ 優秀さが揃いすぎると、組織は硬直する

組織において、「全員が同じ方向を向く」ことは理想のように語られる。
たしかに短期的には推進力になる。
しかしその状態が長く続くと、組織から揺らぎが失われ、多様性というセーフティバルブが機能しなくなる。
 • 異論が出にくくなる
 • 問いが封じられる
 • 静かな同調が支配する
その瞬間、変化への感度が落ちる。つまり、優秀さが揃いすぎることが、未来への弱さになってしまう。

■ 「全員東大生の会社」は本当に強いのか?

よく出される例がある。
仮に全員が東大卒という精鋭だけで会社をつくったらどうなるか?
知力も論理力も高く、議論もスマートだろう。
だが、もし思考の枠組みまで似通っていたとしたら?

 

同じ方法で正解にたどり着ける反面、同じ盲点も抱えることになるのではないか
 • 異なる視点が出ない
 • 「そもそも論」が生まれにくい
 • 設計そのものを疑う人がいない
これでは、確かにうまく回るが、進化や飛躍にはつながらない。
 (例には出しましたが、実際は東大出身者の多くが、極めて優秀で、精神的にタフです)

■ 0.02%を活かす組織設計へ

多くの組織は「80%の人が効率的に動ける設計」でできている。
制度、評価、教育、指針…どれも平均をベースに作られている。
でも、未来を切り開くのは、
その枠から少しだけズレている0.02%の人たちかもしれない。
 • 常識を疑う
 • ルールに従わない
 • 空気を読まない
 • 時間をかけて考え続ける
扱いづらく、目立ち、浮いてしまう存在。
けれど彼らが、構造のほころびや、未来の兆しを見つけることがある。

■ 異質性が力になる:3つの事例

たとえば、
 • Appleは、天才技術者集団でスタートしたが、やがて停滞。デザイン・物語・ユーザー体験など、異質な要素を再統合したことで再成長した。
 • IDEOは、言葉が通じないほど違う専門家たちを組ませ、常に予測不能なアイデアが生まれる仕組みを作っている。
 • ソニーもまた、創業期は逸脱を許容する文化があり、世界に通じる独創性が育った。
つまり、「優秀で揃える」よりも、「揃わない前提で設計する」ほうが、未来は強い証明ではないだろうか
 (事例を選んだのは私なので、公平性がある事例ではないですが(笑))

■ ガバナンスの幻想と、混沌の必要性

現代の企業には、透明性や説明責任が求められる。
だからこそ、ガバナンス強化は当然の流れだ。
だが、あまりに整いすぎた組織は、想定外に弱い。
 • 創造が抑えられる
 • 違和感が排除される
 • 揺らぎがシステムエラーとして扱われる
整っていることと、強いことは、必ずしもイコールではないという認識が必要だ。

■ 多様性は「受け入れる」ものではなく「設計する」もの

多様性を受容するだけでは意味がない。
本当に必要なのは、「違いがあるから強くなる」ように設計することだ。
 • 揃っていないから、ズレに気づける
 • 違っているから、新しい視点が出る
 • 雑音があるから、構造の限界に気づける
その前提に立ったとき、初めて多様性は戦略になる。

 

「全員優秀だからうまくいく」は、幻想かもしれない。
「誰かがズレているから、進化できる」組織こそが、未来に強い。

一言まとめ

組織は、優秀さで閉じ、異質性でひらかれる。
ゆらぎの設計が、未来の勝敗を決める。
受け入れる器が、未来を支える。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司

 

 

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