■「男のロマンって、なんやねん。」
そんな軽い疑問から書き始めたこのテーマは、気づけば三部作になるほど深い話になった。
第1部では、ロマンは 進化の名残り であり、
第2部では、ロマンは 前進の推進エンジン であることを書いた。
そして最終章の第3部は、もう一つの核心、
ロマンは一人ひとり違う という事実に向き合いたい。
これは軽い話ではない。
人間理解の本質であり、組織論の土台でもある。
(この前まで「男のロマンは理解できないよ」と言っていた自分は、一旦置いて話を進める。)
■ 本能寺の変ではなく、本能人の変 個体差という進化の戦略
第一部でも書いたように、いま私たちに必要なの本能寺の変ではなく、
本能人の変。 本能の正体を理解し、人として変わることだ。
その中でも特に重要なのが個体差という視点。
進化の過程を振り返れば、同じ行動しかとれない集団は環境変化に弱い。
寒冷化しても、乾燥化しても、外敵が変わっても、
生き残るのは必ず 多様な特性を持った集団 だった。
つまり進化はずっと、
「個体差こそ生存確率を高める最強の戦略」として働いてきた。
だからロマンも、一人ひとり違うように設計されているはずだ。
■ ロマンが違うのは欠陥ではなく、役割の違い
ある人は、未知への冒険にロマンを感じる。
ある人は、技術を極めることにロマンを感じる。
ある人は、人を支えることにロマンを感じる。
ある人は、勝負にこだわることにロマンを感じる。
ある人は、美しさや静けさにロマンを感じる。
同じではない。
違っていて当然だし、違っている方が強い。
これは性格の違いではなく、進化が生存戦略として設計したロマンの個体差。
ロマンとは火がつく場所の違いとも言い換えられるだろう。
そしてこの火のつく場所の多様性が、
集団を強くし、組織を前へ進める。
■ 全員がおなじロマンを持つ組織は弱い
例えばスポーツチームを想像してみればわかる。
・全員がストライカー
・全員が守備専門
・全員が司令塔
そんなチームが勝てるはずがない。
会社も同じで、ロマンの燃焼点が同じ人間ばかりが集まった組織は、
視野も役割も偏り、変化に弱くなる。
逆に、
・冒険に燃える人
・技術に燃える人
・細部に燃える人
・人に燃える人
・理想に燃える人
火のつく場所が違う人が揃うと、組織は強く、しなやかに動き出す。
ロマンの多様性こそ、組織の生存戦略であると言い切って良いと思う。
■ ロマンを揃えるのではなく、ロマンを尊重する
ミッションとビジョンは揃えなければならない。
しかしロマンは揃えてはいけない。
ロマンは個々が持つ前進エンジンであり、
それぞれに異なる方向性と役割を持つ。
だから経営における役割は、
全員が違うロマンを、全員の前進力に変換すること。
この視点を失った瞬間、組織は多様性を失い、前へ進む力を弱めてしまう。
ロマンは統一するものではなく、組み合わせるものなのだ。
(第2部で「ロマンって作れてるの?」と心配した方、安心してください。)
■ 第1部・第2部・第3部がつながる場所
ロマンの正体は人類が未来へ進むための設計思想
ロマンの起源(第1部)
→ ロマンの機能(第2部)
→ ロマンの個体差(第3部)
この三つを並べて初めて見えるのは、
ロマンが 感情や遊びではなく、
人類が前へ進むための設計思想そのものだということ。
未来へ進む力は、
一人のロマンからではなく、多様なロマンの組み合わせから生まれる。
これが第3部の核心である。
全部妄想で書いたが、私はここで言い切りたい。
だからこそ太字にした。
■ 今日の問い(第三部の問い)
あなたのロマンは、誰のロマンと違っていますか?
そしてその違いは、どんな価値を生んでいますか?
違いを欠点と捉えるのか、
役割と捉えるのか、
それが組織と人生の進み方を大きく変える。(はず)
■ 三部作のまとめの一言
世の中がAIに依存する、会社に依存する、国に依存する、
全員がスマートフォンを見て同じ映像や答えをみている。
そのうち、1つの方向性へ、収束してしまう懸念というか恐怖感を覚えていました。
答えが収束したら、人類の進化、生存が止まる可能性を感じました。
その時に、1人1人がロマンの追及って、本当は必要じゃないかと浮かんだのですが、
「そもそもロマンってなんやねん」と関西人ではないのに関西弁で思い、自分なりに考えて書いてみました。
私なりの結論は、ロマンとは、人類が進化の中で獲得した前へ進む本能。
その火は一人ひとり違う場所で燃えている。
違うからこそ、私たちは共に未来へ進める。
それこそが本能人の変の本当の意味だと思いました。
人生においても、会社においても、そのスタンスで生きれば、もう少し平和な世の中になる気がします。
その方がロマンがあるでしょ?
オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司
