■XTOOLに見る、中国企業の展示の進化
XTOOLの展示を見て、あらためて中国企業の展示の進化を感じました。
彼らは、ツールを売っているようで、実は想像させる展示をしています。
・何が作れるのか
・どこまで広がるのか
・次に何をつくれるのか
答えを出さず、相手に想像させる。
ツールを売る企業から、進化を売る企業へと、確実にステージを上げているように見えました。
私もXTOOLから買いたい、作ってみたいと思いました。
■Dreameは、もはや家電メーカーではありません
Venetianでも、Dreameの存在感は圧倒的でした。
MOVAへの出資も含め、今回の出展者の中で、最もお金をかけていた企業の一つだと思います。
掃除機メーカー、という枠は、もはや完全に超えています。
・製品
・ブランド
・関連事業
・周辺産業
市場があれば、そこを総力で取りに行く。
後から参入するのではなく、市場ごと押さえに行く。
RoborockがXiaomiの出資で育ったように、
中国企業は、市場が見えた瞬間に、「点」ではなく「面」で攻めてきます。
これの行きつく先は? では、我々はどう生き残る?を深く考えさせられました。
■資本が向かう先は、メンタルヘルスと「人間の可視化」
Venetianでは、メンタルヘルスなど、脳波をビジュアルで可視化する展示が目立ちました。
感情、状態、集中力、ストレス。
これらを数値や映像に落とし込む試みです。
ここで感じたのは、今後は脳波データが当たり前になるという流れです。
今のうちにデータを集めておく。
人間にチップを入れる時代が来たとき、そのデータが一気に価値を持つ。
少しSF的に聞こえるかもしれませんが、展示の方向性は、すでにその前段階に入っていると感じました。
スマホやVRなどが無くなり、脳内連携チップで事足りる世界は近い気がしました。
■ベンチャーピッチは、勇気の展示でした
Venetianでは、スタートアップのピッチも数多く行われていました。
正直に言えば、完成度が高いものばかりではありません。
それでも、世界のど真ん中で、自分の事業を語るこの行為そのものが、すでに一つの価値に見えました。
日本では、「もう少し固めてから」「失敗したら恥ずかしい」、そう考えがちですが、
彼らは、未完成でも、まず投げる。
この差は、数年後、ビジネスで競争するという視点では取り返しがつかない差になるし、これがずっと現在進行形だと思います。
■韓国は、もう次の世代を前提に動いていました
Venetianで、最も驚いたのは、韓国スタートアップの出展数と若さです。
Samsungは、複数のスタートアップを束ね、Samsung通りとも言える空間を作っていました。
これは単なる支援ではありません。
・教育
・投資
・人材
・英語
・事業
これらを、もう何年も前から同時に仕込んできた結果に見えました。
英語ができる、ではありません。
事業を英語でやることが前提になっています。
この差は、10年後、確実に効いてきますね。
■欧州は、とにかく「全部、自動化・AI」
欧州系の展示は、ある意味で非常に分かりやすかったです。
とにかく、
・自動化
・AI
・効率化
産業革命を起こしてきた国々らしい、思想としての自動化を感じました。
やるか、やらないかではなく、やる前提。
この一貫性は、簡単には真似できません。
日本とは努力する考え方、前提が違う気がします。
■製造業として、素直に嬉しかった展示
韓国のHEATSOL社のヒートシンク製造技術を見たとき、同じ製造業として、素直に嬉しくなりました。
派手ではありません。
しかし、
・作り方
・量産性
・再現性
すべてが考え抜かれているのかまではわかりませんが、よくこの作り方を考えたなと思いました。
形になるまで、泥臭い試行錯誤をしただろうと感じ、こういう会社が、最後に残って欲しいなと思いました。
製造業って良いなと改めて感じました。
■教育と投資は、必ず時間差で効いてくる
今回、DAY3まで見て、確信したことがあります。
韓国や中国が強いのは、今、頑張っているからではありません。
何年も前に、教育と投資を始めていた。
そして、事業と英語ができる人材を、すでに大量に育てている。
展示会で見える差は、常に過去の意思決定の結果だと思います。
教育 × 投資 × 英語 × 事業
この4つを、同時に・長期間やってきた結果と言い切れます。
日本はどうしても、勝ち筋が見えたら投資になりがちですが、
彼らは投資 → 試行 → 撤退 → 次を前提にしています。
これは会社という存在の考え方や継続指針が違うため、どちらが良い悪いかではありません。
しかし、一般的な方から見ると、夢や未来を感じるのはどちらかと言うと、答えは明白と思います。
■DAY3のまとめ
Venetianで見えたのは、理想ではありませんでした。
資本が動き、人が配置され、逃げ道(撤退基準)まで含めて設計された後の世界でした。
CESは、未来を語る場所ではありません。
どこまで現実に責任を持てるか。
どこまで市場にコミットする覚悟があるか。
それを、静かに、しかし確実に、試される場所になっています。
ここまで読むと、評論家の文章に見えるかもしれません。
ただし、これらはすべて、OTIS社内では実務に落とし込み、行動に変えていくのが、私の役割です。
なお、自社向けに「これだ」と確信した発見もありますが、それは企業秘密のため、ここでは掲載しません。
経営者・投資家の視座からの内容が多く、理解しづらい部分もあったかもしれません。
また、刺激を受けると熱量が上がりやすく、抽象的・感情的な表現もあったと思います。
社内向けには、営業部にて写真付きで、より分かりやすいレポートが共有されますので、ご安心ください。
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テーマ議論や意見交換もWelcomです。
次回は、CES2026の総括を掲載予定です。
オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司
