以前、本田技研工業に憧れ、CR-Vを10数年乗り続けていた。
定期的に届くホンダ通信かホンダマガジンみたいな冊子を読みながら、この会社、夢があるなあと、ワクワクしていた。
毎度全頁を読んでいた。
カブ、ジェット、耕運機、家庭用バッテリーなど、扱っている領域そのものが、自分の好きな分野だったことも大きい。
今になってわかるのは、あの頃の自分は、クルマそのものというより、挑戦する会社の姿勢に心を掴まれていたのだろう。
当時の私にとって、ホンダやソニーは、失敗しながら、世界を最初に驚かせる会社という存在だった。
正解を出す会社ではなく、最初に実現をしにいく会社。
だから多少転ぶし、遠回りもするし、挑戦しているからこそ、少し早めの故障もする可能性はあるだろう。
そのぐらいで構えていた。
でも、その分だけ未来の風景を先に見ている。そんな先端をオシャレに進んでいるイメージだった。
少し話は変わるが、自分が納得しないと動かないという意味で、本田宗一郎さんは、どこかZ世代に似ている気がする。
正しさより納得感。理屈よりやってみようの感覚だ。
もし今のホンダで、本田宗一郎さんが就職試験を受けたら、果たして受かるのだろうか。
受からない会社になっていたら、それは少し、寂しい。
できれば、「めんどくさいけど、面白そうだから採る」そんな会社であって欲しい。
そうやって昔のことを考えていたら、私も何が来るかより、どうしたら、もっとワクワクできるかで、未来を作る必要があるなと内省した。
社内に話すときも、硬い技術の話だけじゃなく、失敗の話も、妄想の話も、少し無茶な話も、あえてしてみようと思う。
きっと、ワクワクは外から与えられるものじゃなく、自分たちで取りに行く方が、もっとワクワクするだろうから。
あの頃、CR-Vに乗りながら、キャンプに行ってた自分に、胸を張れるようにしたい。
オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司
