第107話:骨の折れる仕事

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ドラッカーに、こんな言葉がある。
「計画は、それが直ちに骨の折れる仕事に変わらない限り、単なる意図にすぎない。」

製造業にいると、この言葉の重みを何度も感じる。

うちの会社に限らず、一般的に、会議では、立派な計画が並ぶ。

新規顧客を開拓しよう。

技術力を発信しよう。

品質を改善しよう。

生産性を上げよう。

 

どれも間違っていない。

しかし、それだけでは会社は何も変わらない。

 

計画が現実になるのは、骨の折れる仕事が始まった瞬間である by ドラッカー

 

営業なら、お客様を訪問する。

技術なら、試作品を何度も作り直す。

製造なら、原因が分かるまで現場で改善を繰り返す。

品質なら、一つひとつの不具合を潰していく。

開発なら、失敗を重ねながら、新しい工法を見つける。 

 

どれも派手ではない。

むしろ地味で、時間がかかり、成果もすぐには見えない仕事ばかりだ。

だからこそ、多くの会社は計画で止まってしまう。

 

一方で、成長する会社には共通点がある。

計画を立てることが上手なのではない。

誰かが骨の折れる仕事を始め、それを愚直に続けている。

 

製造業は、魔法のような改善で強くなることはない。

毎日の改善。

毎日の挑戦。

毎日の積み重ね。

その繰り返しでしか、本当の競争力は生まれない。

AIが進化しても、それは変わらないだろう。

 

はっきり言えることは、計画を立てることは、AIも得意になる。

しかし、その計画を実行し、失敗し、改善し、やり切るのは、人であり、組織である。

だから私は、会議や外部での集まりでも計画を見るたびに、一つだけ気になることがある。

 

この計画は、明日から誰が、どんな骨の折れる仕事を始めるのか。

そこが決まって初めて、計画は仕事になる。

 

製造業の競争力とは、優れた計画ではない。

骨の折れる仕事を、当たり前に続けられる組織力なのだと思う。

 

もし今、目の前の仕事が苦しいと感じているなら、それは悪いことではない。

もしかすると、その骨の折れる仕事こそが、本当に会社を変える仕事なのかもしれない。

派手ではない。

すぐに評価される仕事でもない。

それでも、一歩ずつ積み重ねた仕事は、必ず誰かの役に立ち、いつか会社の力になる。

だから今日も、一つずつ。

その骨の折れる仕事こそが、本物の仕事なのかもしれない。

 

そんなことを考えながら、このブログを書いていた。

やっぱり、製造業っていいわ。

地味で、泥臭くて、思い通りにいかないことばかり。

でも、一歩ずつ積み重ねた努力が、本当に価値へ変わっていく。

そんな仕事に出会えたことを、私は幸せだと思う。

 

それなのに、最近は目の前の課題ばかり見ていて、少し視線が下がっていた気もする。

もっと視線を上げよう。

製造業は、まだまだ、まだまだ、まだまだ面白いぞ!

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.

角本康司

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