第133話:霊感は無いけど、向こう側が見える話

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「霊感は無いけど、向こう側が見える話」

電話をしているビジネスマン、たまに電話の向こうの人に向かって、お辞儀をしている。

「ありがとうございます」と言いながら、ペコリ。
「申し訳ございません」と言いながら、さらに深くペコリ。

もちろん、電話の相手には見えていないだろう。
 
冷静に考えると、誰もいない空間に頭を下げているので、なかなか不思議な光景である。

でも、私は、嫌いではない。

全くその人と関係が無い私には見えている、電話の向こう側の相手が。

私は、オーラが見えたり、霊感もない。

ただ、その光景から相手まで想像できてしまい、勝手な光景を思い浮かべている。

 

この人は本気で挨拶しているよ、申し訳ございませんと思っているよと、むしろ応援をしたくなる。

 

電話だから見えない。見えないから、やらなくてもいい。

それでも、この人はしっかり頭を下げている。

 

内容は知らない。だけど、がんばっているよ、この人は。

そして、電話を切った後、良かったぞと心で褒めてしまう。

 

作法というものは、誰かに見られている時より、誰にも見られていない時の方が、その人が出るのかもしれない。

間違いなく、君はいい人だ。

 

そのお辞儀は相手に見せるためだけのものではなく、自分の気持ちを整える動作でもあるのだろう。

でも、全然関係のない私に、君らしさは伝わっているぞ。

 

さて、そう考えると、電話をしている時の私は、どうなっているのだろうか?

 

誰にも見られていないつもりで、どんな自分をさらけ出してしまっているのだろうか。

 

海外出張も多いので、日本の変なおじさんと動画に撮られない程度には、気をつけたい。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.

角本康司

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