第129話:近いものほど、見えない

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出張が多い。

遠くへ出張に行くと、いろんなところに行けていいですね、と言われる。

確かに、昔は知らない街へ行くと、景色を見て「おぉー」と思っていた。

でも、そういう感情を、かなり昔に忘れてしまった気がする。

 

考えてみれば、自分の家の近所だって案外見ていない。

毎日通る道なのに、何の花が咲いているか知らない。

近所の川に、どんな鳥がいるのかも知らない。

 

人は、遠くへ行くと目を開くのに、近くだと目を閉じるらしい。

しかも近いところは、いつでも行けると思って、結局行かない。

 

私の場合、出張が多すぎて、遠くまで近くに感じるようになってしまった。

つまり、目を閉じる範囲だけが広がったのだ。

これは、なかなかよろしくない気がする。

 

プライベートでも、わざわざ何万円も払って絶景を見に行くのもいいけど、家の前で空を見上げたら、同じ空だろと思ったりしてしまう。

もちろん旅は楽しい。

でも、近所も結構負けていない気がする。

たまには散歩でもしながら、キョロキョロ・ジロジロしてみようと思う。

 

昨日まで気づかなかったものを近所で一つ見つけるだけでも、その日はちょっと得した気分になる。

遠くへ行く自由もいいけれど、近くを楽しめる人のほうが、毎日はちょっと面白い気がする。

 

以上、休みの日に家でゴロゴロするための、私なりの言い訳でした。

パクりたい方は、どうぞ。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.

角本康司

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