【1】半導体製造とは何か
半導体製造とは、1枚のウェハから数百〜数万個のチップを作る超精密プロセスであり、
完成までに 1000〜3000の工程 を経ることも珍しくありません。
全体像は、次の2段階に大別されます。
● 前工程(ウェハ加工:トランジスタと配線を作る)
● 後工程(パッケージ:封止・実装・検査)
【2】前工程(Front-End:FEOL + BEOL)
前工程では、ウェハ上に
トランジスタ(素子)を作り、配線(回路)を形成します。
● FEOL(Front-End Of Line:素子形成)
MOSFET・FinFET・GAAなどのトランジスタ構造を作る工程。
例:酸化、成膜、露光、エッチング、イオン注入、アニールなど。
● BEOL(Back-End Of Line:配線形成)
トランジスタ同士を銅配線でつなぐ工程。
Low-k膜と金属配線を積層し、回路を完成させる。
【3】後工程(Back-End:Assembly & Test)
後工程では、前工程で作ったウェハを
チップに切り分け、パッケージに封止し、最終テストを行う。
主な工程は以下:
● ダイシング(ウェハ切断)
● パッケージング(ワイヤボンド/フリップチップ)
● 基板への実装
● ファンクショナルテスト(FT)・Eテスト(E-Test)
ここでは、ウェハが出荷可能な製品へ仕上がる。
【4】製造プロセスの全体フロー
製造工程の流れをテキストで整理すると、次のようになります。
【前工程】
1.ウェハ製造(Si / SiC / GaN)
2.酸化膜形成
3.成膜(CVD / PVD / ALD)
4.レジスト塗布
5.露光(ArF / EUV)
6.現像
7.エッチング
8.レジスト剥離
9.イオン注入(ドーピング)
10.アニール(活性化)
11.CMP(平坦化)
12.配線形成
13.多層配線(BEOL)
【後工程】
1.ダイシング
2.パッケージング
3.実装(基板搭載)
4.電気テスト
5.出荷
半導体はこの中で、成膜 → 露光 → エッチング → 平坦化
のプロセスを何十回も繰り返すことで完成します。
【5】半導体製造の特徴
● (1)層を積み上げる「超立体構造」のものづくり
薄膜形成 → パターニング → 除去 → 平坦化の繰り返しで
立体的に回路を組み上げていく。
● (2)歩留まり(Yield)が最重要
微粒子や残渣、わずかな膜厚ばらつきが不良の原因になるため、
徹底したプロセス管理が求められる。
● (3)クリーンルームは製造の生命線
人間が最大の汚染源と言えるため、
Class 1〜1000レベルの徹底管理が必要。
● (4)巨大装置産業でもある
露光(ASML)、成膜・エッチング(東京エレクトロン、LAM、AMAT)など
世界の装置メーカーが重要な役割を担う。
【6】FEOL・BEOL・後工程の関係
半導体製造は以下のように段階的に進む。
● FEOL(素子形成):MOSFETなどのトランジスタを作る
● BEOL(配線形成):トランジスタ同士を銅配線で接続
● 後工程(Assembly):チップ化・封止・検査
この3段階で、ウェハは製品へと仕上げられていく。
【7】まとめ
● 半導体製造は「前工程」と「後工程」に大別される。
● 前工程=トランジスタと配線の形成。
● 後工程=パッケージングと最終テスト。
● 工程全体では、清浄度・歩留まり・設備管理が極めて重要。
【理解チェック】
Q1. 半導体製造の工程は大きく何と何に分かれていますか?
Q2. FEOL と BEOL の違いを説明してください。
Q3. 半導体製造でクリーンルームが重要な理由は?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。



