【1】パッケージ歩留まりとは何か
パッケージ歩留まりとは、組み立て・封止・検査まで含めて、良品として出荷できる割合を指す。
重要な点は:
・前工程(ウェハ)が良品でも、後工程で不良になり得る
・複数ダイ構成では“掛け算”で効いてくる
例:
・ダイA良品率 99%
・ダイB良品率 99%
・パッケージ良品率 ≈ 98%
→ ダイ数が増えるほど急激に悪化。
【2】先端パッケージで歩留まりが難しい理由
① 工程数が多い
・RDL形成
・バンプ形成
・実装
・アンダーフィル
・モールディング
・検査
各工程に不良要因が存在。
② 微細化・高密度化
・微細RDL
・微細バンプ
・狭ピッチ
→ 許容範囲が極端に狭い。
③ 複合構造
・複数ダイ
・異種材料
・大型パッケージ
→ 不良が顕在化しやすい。
【3】代表的な量産不良モード
● (1)RDL欠陥
・断線
・ショート
・レジスト残渣
Fan-outで特に顕著。
● (2)バンプ不良
・オープン
・ブリッジ
・コプラナー不良
微細ピッチ化で急増。
● (3)ボイド
・ダイアタッチ
・アンダーフィル
・モールディング
→ 放熱・信頼性を同時に悪化。
● (4)デラミネーション
・界面剥離
・吸湿+加熱で顕在化
● (5)反り(Warpage)
・実装不良
・検査NG
・信頼性低下
大型パッケージで致命的。
【4】歩留まりとコストの関係
先端パッケージのコスト構造は:
・材料費:高
・装置費:高
・工程時間:長
・再作不可:多い
つまり:歩留まり=そのまま原価率
・90% → 成立
・80% → 利益激減
・70%以下 → ビジネス崩壊
【5】Known Good Die(KGD)の重要性
複数ダイパッケージでは、KGD(良品ダイ)の管理が生命線。
必要条件:
・ウェハレベルでの高精度テスト
・ダイ単位トレーサビリティ
・ロット・条件の厳密管理
KGDが崩れるとパッケージ歩留まりは一気に崩壊。
【6】歩留まり改善のアプローチ
●(1)工程ごとの可視化
・インライン検査
・SPC
・異常傾向検出
●(2)設計側との連携
・RDL設計ルール
・バンプ配置最適化
・応力分散構造
Design for Assembly / Reliability
●(3)材料・装置の最適化
・材料ロット管理
・装置条件の安定化
・クリーニング・保守
●(4)AI・データ活用
・欠陥パターン解析
・条件最適化
・予兆検知
【7】OSAT・ファウンドリ・設計の役割分担
先端パッケージでは:
・ファウンドリ:KGD供給
・OSAT:量産・歩留まり
・設計会社:構造最適化
分業だが、責任は連動。連携が弱いと量産は成立しない。
【8】最新トレンド
・Fan-out量産ラインの自動化
・パッケージ専用FDC
・AIによる歩留まり予測
・量産立ち上げ前シミュレーション
・小ロット量産 → スケールアップ戦略
【9】まとめ(6-12)
・先端パッケージは量産が最大難関
・歩留まりは工程数×微細化で悪化
・不良はRDL・バンプ・界面に集中
・KGD管理が必須条件
・歩留まり=コスト競争力
【理解チェック|6-12】
1.先端パッケージで歩留まりが急激に悪化しやすい理由は?
2.KGD管理が重要な理由を説明してください。
3.パッケージ歩留まりがそのままコストに直結する理由は?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
