TECH COLUMN 技術コラム

7章:検査・評価技術(Inspection & Characterization)
7-4. 外観検査(Optical Inspection)

材料・加工技術

公開日:

半導体不良の多くは、電気的に測る前に 形として現れる。
キズ、異物、欠け、剥離
これらはすべて、デバイス性能・信頼性に直結する物理欠陥。
外観検査は、それらを電気検査より前に捕捉する
最も直感的で、最も奥が深い検査領域である。

【1】外観検査とは何か

外観検査とは、チップやパッケージの物理的状態を観察し、欠陥の有無を判定する検査を指す。

対象は広い。

・ウェハ表面

・配線パターン

・バンプ

・ワイヤ接合部

・モールド樹脂

・基板接合部

つまり、前工程から後工程まで全域に存在する検査

【2】なぜ外観検査が重要なのか

理由はシンプル。

物理欠陥は、時間差で電気不良に変わる。

例:

・微小クラック → 温度サイクルで拡大

・異物付着 → リーク電流増加

・配線欠け → EM破壊

・モールド剥離 → 吸湿劣化

外観不良は、今は動くが、未来で壊れる不良でもある。

【3】主な検査対象欠陥

代表的な外観欠陥は以下。

● パーティクル(異物)

・ダスト

・金属粉

・レジスト残渣

微細配線では、1粒でショート不良になることもある。

 

スクラッチ(傷)

・CMP傷

・搬送傷

・プローブ傷

配線断線や信頼性低下の原因。

 

● クラック(割れ)

・ダイシングクラック

・バンプ周辺割れ

・モールド割れ

温度変化で進展しやすい。

 

● デラミネーション(剥離)

・樹脂とチップ界面

・RDLと絶縁膜界面

熱抵抗増大・吸湿劣化の原因。

【4】検査装置と検査方式

外観検査は主に光学技術を使う。

代表装置:

・光学顕微鏡

・自動外観検査装置(AOI)

・高解像度ラインスキャン

・3D形状測定装置

検査方式は大きく2つ。

 

● 目視検査

・人が顕微鏡で観察

・微妙な欠陥検出に強い

だが、

  • 工数が多い
  • 個人差が出る

量産では限界がある。

 

● 自動外観検査(AOI)

・画像取得

・画像比較

・欠陥抽出

高速・大量検査が可能。現在の主流。

【5】AOIの判定ロジック

AOIは単純な画像比較ではない。

代表的手法:

・Golden Sample比較

・パターン認識

・輝度差解析

・エッジ検出

微細化が進むほど、正常と異常の差が曖昧になる。

誤検出(False Alarm)と見逃し(Escape)の最適化が課題。

【6】先端パッケージでの外観検査の難易度

先端パッケージでは難易度が急上昇する。

理由:

・バンプ微細化

・RDL多層化

・3D積層構造

・光が届かない内部欠陥

そのため、

・X-ray検査

・CT検査

・超音波探傷

など、非破壊内部検査と併用される。

【7】外観検査データの活用

外観検査は判定だけで終わらない。

活用例:

・欠陥マッピング

・装置異常の検知

・搬送系トラブル特定

・工程ばらつき把握

Defect Mapは、歩留まり改善の最重要データのひとつ。

【8】まとめ(7-4)

・外観検査は物理欠陥を捕捉する基本検査

・多くの不良は形として現れる

・AOIが量産の主流

・先端パッケージでは内部検査が必須

・欠陥マップは工程改善の鍵

【理解チェック】

1.外観不良が時間差で電気不良に変わる理由は?

2.AOIと目視検査の違いは何か?

3.先端パッケージで光学検査が難しい理由を挙げよ。

4.Defect Mapは何に活用されるか?

 

 

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

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