【1】非破壊検査とは何か
非破壊検査とは、チップやパッケージを破壊せずに、内部構造・欠陥を評価する検査技術を指す。
対象は主に:
・はんだ接合部
・バンプ内部
・TSV
・ワイヤ接合
・モールド樹脂内部
・基板接合界面
つまり、先端パッケージほど重要度が高い検査。
【2】なぜ非破壊検査が必要なのか
理由はシンプル。
内部欠陥は、
電気検査では検出できないことがある。
例:
・ボイド(空隙)
・未接合
・クラック
・剥離
・フィラー偏在
初期は正常動作しても、
・熱負荷
・電流ストレス
・温度サイクルで急速に劣化する。
非破壊検査は、将来壊れる不良を先に見つける技術。
【3】X-ray検査(透視検査)
最も一般的な非破壊検査。
>原理
X線を照射し、透過率の違いで内部構造を可視化。
観察できる欠陥
・はんだボイド
・ショート
・オープン
・ワイヤ位置ズレ
・TSV内部欠陥
特に、はんだ接合評価では必須装置。
【4】CT検査(X-ray CT)
X-rayの発展版。
特徴
・多方向から撮影
・3D再構築
・内部断面を自由に観察
観察可能:
・微細ボイド
・バンプ内部クラック
・TSV壁面欠陥
・3D積層界面
2Dでは見えない欠陥を可視化できる。
【5】SAT(超音波探傷:Scanning Acoustic Tomography)
音波を使った内部検査。
原理
・超音波を照射
・反射波を解析
・界面状態を可視化
特に得意なのは:
・デラミネーション
・樹脂剥離
・アンダーフィル空隙
・モールド内部欠陥
樹脂系欠陥検出ではX-rayより高感度。
【6】各検査手法の得意領域
非破壊検査は、用途ごとに使い分ける。
例:
・はんだボイド → X-ray
・微細内部構造 → CT
・界面剥離 → SAT
・3D積層欠陥 → CT+SAT
単独ではなく、複合評価が基本。
【7】先端パッケージでの重要性
先端パッケージでは、非破壊検査の重要度が急上昇している。
理由:
・HBM積層
・TSV構造
・Chiplet接合
・超微細バンプ
内部欠陥が性能・寿命に直結。
しかも、分解して調べると意味がない(壊してしまうため)。
非破壊検査は、量産信頼性を担保する唯一の手段でもある。
【8】非破壊検査の限界と課題
万能ではない。
課題:
・解像度限界
・金属遮蔽
・観察角度制約
・装置コスト
・検査時間
微細化が進むほど、見たい欠陥が見えないという問題も増える。
そのため、AI画像解析や3D再構成技術が進化している。
【9】まとめ(7-5)
・非破壊検査は内部欠陥を可視化する技術
・壊さず評価できる点が最大の価値
・X-ray、CT、SATを用途で使い分ける
・先端パッケージでは不可欠
・微細化に伴い解析技術も進化中
【理解チェック】
1.非破壊検査が必要とされる理由は?
2.X-rayとSATの得意領域の違いは?
3.CT検査が2D透視より優れる点は?
4.先端パッケージで非破壊検査が重要な理由は?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

