【1】故障解析とは何か
故障解析とは、
不良品を詳細に調査し、故障メカニズムと発生原因を特定する技術を指す。
目的は3つ:
・不良原因の特定
・再発防止策の立案
・設計・工程改善
つまり、品質保証の最終砦。
【2】故障解析が必要になる場面
主なトリガーは以下:
・電気検査NG
・信頼性試験NG
・市場故障
・初期不良多発
・歩留まり悪化
特に市場故障は重大。
リコールやブランド毀損に直結する。
【3】故障解析の基本フロー
FAは体系的に進める。
① 症状確認
電気特性・不良モード把握
② 外観観察
顕微鏡・SEMで外観確認
③ 非破壊検査
X-ray / SAT / CT
④ 局所特定
故障箇所の絞り込み
⑤ 破壊解析
研磨・断面作製
⑥ 材料・構造解析
成分・結晶・界面評価
⑦ 原因仮説 → 検証
【4】代表的な解析手法
●(1)光学顕微鏡(OM)
最初の基本観察。
・ワイヤ断線
・焼損
・クラック
・汚染
●(2)SEM(走査電子顕微鏡)
高倍率観察。
・バンプクラック
・金属粒界
・電食痕
・微細破壊面
●(3)FIB(集束イオンビーム)
局所断面作製。
・TSV内部
・RDL断面
・微細界面
nmレベルで構造確認可能。
●(4)EDX / 元素分析
材料成分を特定。
・異物混入
・金属拡散
・酸化状態
●(5)OBIRCH / TIVA
通電状態で故障点検出。
・リーク箇所特定
・ショート位置特定
先端ロジック解析で必須。
【5】パッケージ特有の故障モード
パッケージでは、構造起因の故障が多い。
代表例:
・はんだクラック
・ボイド起因断線
・デラミネーション
・ワイヤ剥離
・バンプ未接合
特にFan-out、HBMでは、
RDL・TSV関連不良が増加。
【6】故障解析の難しさ
FAは簡単ではない。
理由:
・不良が再現しない
・破壊で証拠が消える
・多層構造で特定困難
・複合要因が多い
つまり、「推理」と「実験」の融合技術。
【7】先端パッケージ時代のFA進化
AI・Chiplet時代では、FAも進化している。
例:
・3D断面解析
・非破壊+破壊併用
・AI画像解析
・in-situ観察
単なる故障特定ではなく、設計改善フィードバック装置として機能し始めている。
【8】量産との関係
故障解析は、量産と直結する。
影響領域:
・歩留まり改善
・工程条件最適化
・材料変更判断
・設計ルール更新
FAが弱い企業は、歩留まりが上がらない。
【9】まとめ(7-6)
・故障解析は不良原因特定技術
・品質保証の最終防衛線
・非破壊 → 破壊解析で進行
・パッケージは構造不良が多い
・量産歩留まりと直結する
【理解チェック】
1.故障解析の最終目的は何か?
2.非破壊検査と破壊解析の役割の違いは?
3.パッケージ特有の故障モードには何があるか?
4.なぜFAは歩留まり改善と直結するのか?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
