AI論②:進化のスピードと歴史と映画的視点
~過去に学び、未来を問い直す視点~

公開日: 更新日:

生成AIの進化スピードは、驚異的だ。
しかし歴史を振り返れば、産業革命(18世紀後半〜19世紀)からコンピュータ革命(20世紀半ば〜)に至るまで、技術の大きな転換点ごとに、人の役割や価値観は大きく変化してきた。

たとえば蒸気機関の普及によって、多くの肉体労働が機械に置き換わった一方で、機械技師、工場管理者、鉄道技術者などの新たな職業が生まれた。
同様に、コンピュータの普及は事務作業を自動化したが、代わりにソフトウェア開発やIT関連職が急成長した。

 

だが、生成AIはこれまでの技術革新とは本質的に異なる。
それは、「知的労働」や「創造的思考」さえも代替可能であるという点だ。

 

これまでGAFAのような巨大IT企業は、各国に新たな雇用を生み出してきた。
しかし、生成AIの進化は、「そもそも人間は必要なのか?」という、より根源的な問いを突きつけてくる。
仮に、生成AIが人間の大半の労働を肩代わりするようになれば、「人間は余暇を楽しめばいい」という社会の到来も考えられる。

 

だがそのとき、「人間をそもそも生かしておくのか?」という問いの答えを握るのは、人間なのか?それともAIなのか?
支配構造の逆転という概念も、いよいよ現実味を帯びてくる。

 

AIが人間の脳にダイレクトにつながった瞬間、支配の主導権は完全にAIに移る――
そんな未来像に、私は映画『マトリックス』の影響を受けすぎているのだろうか。

 

それでも、私はこう思う。
たとえ脳とAIがつながる未来が訪れたとしても、「自分で考える」ことをやめない。
それこそが、人類の粘り強さであり、そして、そこからこそ、新たな進化が生まれるのだと思う。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司

CONTACT お問い合わせ

岡山 / Okayama

0867-42-3690

東京 / Tokyo

03-6810-4830

お問い合わせはこちら