第13話:誤解されがちな体育会系という言葉

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ビジネスの場面で、「体育会系っぽいですね」と言われたことはありませんか?
それが、ややネガティブな意味で使われる場面も、少なくないように感じます。
「声が大きい」「上下関係が厳しそう」「精神論ばかり」
そんなイメージが先行して、「暑苦しい人」というレッテルを貼られることもある。
でも、僕にとっての体育会系は、その逆です。
むしろ、そういった要素とは無縁でした。
実際に僕に会った方はご存じかもしれませんが、
声は小さいし、活舌も悪くて、よく聞き返されます。
上下関係を気にするタイプでもないし、何より製造業の人間なのでモノで語る派です。

 

学生時代、僕はアメフト部に所属していました。
とはいえ、そこに“理不尽な上下関係”の記憶は一切ありません。
正直なところ、そんなことを考える暇すらなかったです。
毎日がただただ、目の前のことに全力。
• 勝つために、死なないために、今自分に何ができるか
• チームの役に立つには、どこを鍛えるべきか
• 負けないために、死なないために、どう頭を使うべきか
そこには、「礼儀」や「ルール」はあっても、「理不尽」はなかった。
あったのは、目的に向かう体力と情熱と合理性の融合。

 

今でも、アメフト部の6期分の先輩・後輩と年に何度か集まって、酒を酌み交わしています。
何十年経っても、あの空気感は変わらない。
上下というよりも、共に戦った仲間としての信頼関係が、今も続いている感覚があります。
それは、全員が本気だったからこそ生まれた絆です。
不思議なもので、会った翌日、「まだ自分もがんばろう」と思える。
あの時間が、今でもそれぞれの人生に灯をともしている気がします。

 

実は、体育会系=ミッション経営の原型ではないでしょうか?
振り返ってみると、アメフト部の文化は、今の企業経営と驚くほど似ています。
• 明確な目標(=勝利)
• 役割分担(=ポジション/責任の明確化)
• 練習→試合→振り返り(=PDCAの徹底)
• 仲間との連携(=チームビルディング)
• ライバルとの競争(=マーケットでの戦い)
つまり、体育会系とは、目的達成のための戦略的集団が本来の姿なんです。
根性論だけではない。
こうして書いてみると、昔の週刊少年ジャンプの漫画みたいですが、
ロジック×熱量の両輪で走るスタイルこそ、本来の体育会文化の価値だと、僕は思っています。

 

そもそも「体育会系」という言葉自体、曖昧で抽象的ですし、
こうした言い方をしているのも、実は日本くらいなんですよね。
だから、本当は気にする必要なんてないし、僕は気にしていません。
でも、前回の火の話からの流れで、少し書いてみたくなったので、今回はこうして綴ってみました。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司

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