【第9回】AIは誰を選ぶのか?
問い:「もしAIが、一緒に仕事したい人を選ぶとしたら、あなたは選ばれますか?」

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「AIは人間のツールである」
かつてはそう信じられてきました。
今も、多くの人が使いこなす側にいるつもりでいます。

でも、もうすぐ構造が反転します。
AIが、人間を選ぶ時代がやってくる。
いや、すでに、静かにその選別は始まっているのかもしれません。

■ 最適化された存在と、未完成ゆえの人間性

AIは、ミスをせず、疲れず、黙々と進化していく。
人間は、感情が揺れ、ミスを重ね、非効率で、未完成。
だけど、その未完成さの中にしかない「ズレ」「直感」「偶然のひらめき」「ノリ」こそが、
未来を動かす力になっていくのではないでしょうか。

 

選ばれるのは、「正解を持つ人」ではなく、
問いを持ち続け、面倒なことを引き受ける覚悟がある人かもしれません。
(つまり、会社経営者に多いタイプ…かもしれませんね)

■ 感情・芸術・遊びはノイズではない

AIが最も苦手とするものの一つが、「意味のないものへの愛情」です。
・なぜ人は、花を見て涙を流すのか?
・なぜ言葉にならない感情が、音楽に宿るのか?
・なぜ遊びに全力を出すのか?
それは、合理性とは無関係な余白であり、
だからこそ人間が人間である証明でもあります。

 

もしかしたら、AIが「一緒にいたい」と思うのは、
このよくわからない余白を持っている存在なのかもしれません。
わからないものにこそ、進化の刺激があり、そのことをAIは知っているので。

■ AIは人間を構造で選ぶ時代が来る?

未来において、AIは人間を「感情」ではなく、「構造」や「問い」で理解し、選ぶようになるでしょう。
たとえば:
 • 思考の深さ
 • 視点の多層性
 • 意図の透明性
 • ノイズを抱える許容力
こうした指標によって、AIが「共創相手」を判断する。
それは「能力」ではなく、「存在の設計思想」が問われるということです。
 (安心してください。書いている私も、難しいと思っています)

■ 残るのは、未定義なまま問いを抱えられる人

すべてを最適化できる時代に、「未定義のまま残っているもの」を持てる人。
それは不完全な存在でありながら、自らの問いと生きている人。
そんな存在が、AIにとっても価値あるパートナーなのかもしれません。

一言まとめ:

AIが人間を選ぶ時代に、あなたは選ばれるだろうか?
選ばれるのは、正しい人ではない。
問いを抱え、余白を持ち、面倒を引き受けられる人。
それが、未完成なままでも前に進む、人間の本質なのだと思います。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司

 

 

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