第89話:30年経っても見る夢の行き先

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もう30年経ったのに、いまだにアメフトの夢を見る。
今日の夢は、試合直前。
上半身はフル装備なのに、なぜか下半身はボクサーパンツ一枚。
ユニフォームなし、素足にスパイクで早く試合に出ろと言われる。
「危ないだろ」「ケガするだろ」と必死に止める僕に対して、
周りはなぜか真剣に、「それ反則になるのか?」を議論している。
…いや、そこじゃないだろ!と真剣に言えども、誰も聞いてくれない

目が覚めたとき、ふと思った。

ああ、これは幸せだな、と。

現実に戻っても、同期や先輩後輩の顔が浮かぶ。

あの空気、あの匂い、あの緊張感。

30年経っても、こうして夢に出てくる。

それだけ濃い時間を生きていたということだ。

30年経っても思い出せる経験。

これは、かなり贅沢なことなんじゃないか。

 

そう考えると、人生の豊かさはどれだけ経験したかで決まるのかもしれない。

しかも面白いのは、

そのときはしんどかったことほど、後になって効いてくる。

あのときの苦しさが、今の自分の根っこになっている。

一歩目をもっと早くだせ!で、たくさん怒られ、たくさん練習した。

 

今はビジネスでも踏み出すときの、ほんの一歩の勇気になっている。

 

だとすると、しんどい経験は長期熟成型の幸せなのかもしれない。

一方で、ふと思う。

授業の夢は、一度も見たことがない。

正直、ほとんど思い出せない。

役に立っていない、とは言わないけれど、少なくとも私には心に残る体験ではなかったのだろう。

 

だからこそ思う。

主目的だけでなく、その過程で生まれる副産物にこそ価値がある

何を学ぶか以上に、誰と過ごし、何を感じたか。

子どもには、「意味があるかどうか」で選ばせるよりも、

「やってみたいかどうか」で選ばせたほうがいいのかもしれない。

 

もう子育ては終わったけれど、もしもう一度やるなら、そうするだろう。

来世に、反映しておきたい。

 

そして自分自身も、30年後にまた夢に出てくるような時間を、これからも積み重ねていきたい

それがきっと、一番面白い生き方だから。

50代になったから、気づけることかもしれないけどね。

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.

角本康司

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