目が覚めたとき、ふと思った。
ああ、これは幸せだな、と。
現実に戻っても、同期や先輩後輩の顔が浮かぶ。
あの空気、あの匂い、あの緊張感。
30年経っても、こうして夢に出てくる。
それだけ濃い時間を生きていたということだ。
30年経っても思い出せる経験。
これは、かなり贅沢なことなんじゃないか。
そう考えると、人生の豊かさはどれだけ経験したかで決まるのかもしれない。
しかも面白いのは、
そのときはしんどかったことほど、後になって効いてくる。
あのときの苦しさが、今の自分の根っこになっている。
一歩目をもっと早くだせ!で、たくさん怒られ、たくさん練習した。
今はビジネスでも踏み出すときの、ほんの一歩の勇気になっている。
だとすると、しんどい経験は長期熟成型の幸せなのかもしれない。
一方で、ふと思う。
授業の夢は、一度も見たことがない。
正直、ほとんど思い出せない。
役に立っていない、とは言わないけれど、少なくとも私には心に残る体験ではなかったのだろう。
だからこそ思う。
主目的だけでなく、その過程で生まれる副産物にこそ価値がある。
何を学ぶか以上に、誰と過ごし、何を感じたか。
子どもには、「意味があるかどうか」で選ばせるよりも、
「やってみたいかどうか」で選ばせたほうがいいのかもしれない。
もう子育ては終わったけれど、もしもう一度やるなら、そうするだろう。
来世に、反映しておきたい。
そして自分自身も、30年後にまた夢に出てくるような時間を、これからも積み重ねていきたい。
それがきっと、一番面白い生き方だから。
50代になったから、気づけることかもしれないけどね。
オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司
