第113話:交代ボードを上げる人

公開日:

ワールドカップを見ていて、いつも気になる人がいる。
監督だ。

あそこで交代は早すぎた。

いや、遅すぎた。

なんでエースを下げたんだ。

 

試合が終われば、みんな評論家になる。怖い怖い。

 

でも、監督が交代ボードを上げる瞬間には、未来は誰にも見えていない。

あと5分で点を取るかもしれない。

逆に、その5分で足が止まり、失点するかもしれない。

 

情報は足りない。時間もない。

それでも、決めなければならない。

 

ドラッカーは、意思決定とは正しい答えを選ぶことではなく、不確実な中で判断することだと教えてくれた。

実際、経営も同じで、

設備投資をするか。

新しい市場へ挑戦するか。

人事を変えるか。

撤退するか。

すべての情報がそろってから決めようと思えば、その頃には試合が終わっている。

 

だから、経営者は決める。決めなければならない。

そして、決めた後に、その判断を正解へ近づける努力を続ける。

 

私は、社長になって思った、わかったのは、

決断することより、決断しないことの方が怖い。

 

決断には失敗がある。

でも、決断しなければ、未来は何も変わらない。

 

ワールドカップの監督も、会社の社長も、拍手されるために交代ボードを上げるわけではない。

チームが勝つ確率を、1%でも高めるために上げる。

 

だから私は、監督が交代ボードを持った瞬間、

あの人は、選手を替えているのではない、未来を選びにいっているのだ、と思うようにしている。

 

試合が終わってから、ああすれば良かった、こうすれば良かったと言うのは、誰にでもできる。

でも、その瞬間に決断を下す人こそ、一番真剣に未来と向き合っているのは事実である。

その決断に敬意を払いながらワールドカップを見た方が楽しいよと思う。

 

 

オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.

角本康司

CONTACT お問い合わせ

岡山 / Okayama

0867-42-3690

東京 / Tokyo

03-6810-4830

お問い合わせはこちら