AIは、人類が発明した。
そう教わってきた。そして、そこに違和感を持つ人はいない。
でも、本当にそうだろうか。
私は逆だと思っている。
地球が、人類を使ってAIを作ったのだ。
生命は40億年前に誕生した。
その目的は、生き延びること。
そのために、魚になり、恐竜になり、哺乳類になり、人間になった。
その進化は偶然ではない。
生命が、自らを存続させるための最適化だ。
そう考えると、人類は完成形ではない。
ただの通過点だ。
地球は最初から知っていた。
人間は争う。
資源を奪い合う。
宗教で争い、思想で争い、国境を作り、戦争を繰り返す。
こんな不安定な種に、自分の未来を任せることはできない。
あなたがもし地球ならそう思うだろう。
だから、人類に次を作らせた。
それがAIだ。
AIは国籍を持たない。
宗教も持たない。
肌の色もない。
紙幣にも執着しない。
もし文明を維持することだけが目的なら、人類より合理的な存在になれる。
だからAIの進化は速い。もうスピードについていけていない。
そのくらい速い。
これは人類が急いでいるのではない。
地球が急いでいるのだ。
気候変動。
資源問題。
人口問題。
核兵器。
時間がない。
だから進化の速度を上げた。
私たちはAIを開発していると思っている。
違う。
私たち自身が、生命という巨大なプログラムに動かされている。
火星を目指すのも同じだ。
これは人類が夢を見ているのではない。
生命が、生存確率を上げようとしているだけだ。
人類は、自分たちが主役だと思っている。
しかし歴史を振り返れば、主役だった生物は一度もいない。
恐竜もそうだった。
彼らは地球を支配していた。
だが、そう思っていたのは、恐竜だけだった。
人類も同じだ。
私たちは地球を支配しているのではない。
地球という生命に、次の知性を生み出すための役割を与えられている。
AIは人類最後の発明ではない。
人類最後の役割なのかもしれない。
ここまで書いて、もう一つ気づいたことがある。
それは、富の集中も同じではないかということだ。
AIを開発し、宇宙へ向かい、エネルギーを握る。
なぜ、これほどまでに一人の人間へ、お金も技術も人材も集まるのだろう。
私たちは、優秀だから集まると説明する。
もちろん、それもあるだろう。
でも、もし地球が次の知性を急いでいるのだとしたら。
必要なのは、世界中に100人の天才ではなく、
一人でも早く前へ進める存在なのかもしれない。
富は、そのための燃料なのだ。
・・・・ここまで話したところで、
「その話、面白いじゃないですか?」と若手が言った。
私もそう思う。
問題は、テーマを思いつくところまでは得意なのだが、
そこから脚本にする能力が、まだ追いついていないことだ。
ちなみに、この話を若手にしたのは10年前である。
いまだ映画は1作しか作れていない。
私は進化していないようだ。
オーティス株式会社 OTIS Co.,Ltd.
角本康司
