【1】なぜパッケージが次の主戦場なのか
理由はシンプル。
・微細化(ムーアの法則)が限界に近づいた
・配線遅延・電力・発熱が性能を制約
・チップ単体では限界を突破できない
→ つなぎ方・冷やし方・運び方 が勝負。
【2】3Dパッケージの進化
● TSVによる垂直積層
3Dパッケージでは、
・ロジック × ロジック
・ロジック × メモリ
・メモリ × メモリ を 垂直方向に直接接続 する。
利点:
・配線最短
・レイテンシ最小
・帯域最大化
課題:
・放熱
・信頼性
・歩留まり
→ 実用化は段階的に進行。
● ハイブリッドボンディング
はんだを使わず、
・Cu-Cu
・絶縁膜同士 を直接接合。
特徴:
・ピッチ数µm以下
・抵抗・遅延が極小
・3D積層の鍵技術
【3】光I/O(Co-packaged Optics)
電気配線の限界を超えるため、光でデータを運ぶ 技術が本格化。
● なぜ光I/Oが必要か
・電気配線は距離が伸びると損失増大
・消費電力が急増
・高速化が頭打ち
光I/Oは:
・超高速
・低消費電力
・長距離 を同時に実現。
● Co-packaged Optics(CPO)
・光エンジンをパッケージ内に内蔵
・スイッチ・AIチップと直結
データセンター用途で急速に研究・実装が進む。
【4】液冷パッケージの現実化
AIチップの消費電力はすでに空冷の限界を突破。
進化方向:
・ダイ直下冷却
・マイクロチャネル
・冷却液循環型パッケージ
特徴:
・冷却性能が桁違い
・温度ムラ抑制
課題:
・漏れリスク
・信頼性評価
・製造・保守コスト
【5】電源・冷却・光の統合設計
将来のパッケージでは、
・電源供給
・冷却
・光I/O を 別物として扱えない。
必要なのは:
・電気 × 熱 × 光 × 機械
・完全なCo-design
パッケージは小さなデータセンターになる。
【6】OSAT × ファウンドリの競争構造変化
先端パッケージでは:
・ファウンドリが後工程まで内製化
・OSATが高付加価値領域に集中
競争軸が変化。
今後は:
・技術連携できる企業
・システム理解を持つ企業 が生き残る。
【7】日本企業のチャンス領域
日本が強みを持つ分野:
・材料(樹脂・基板・接着)
・精密加工
・信頼性評価
・装置技術
3D・光・液冷は材料×信頼性の世界。
日本企業が再び存在感を出せる領域(になって欲しい)。
【8】まとめ(6-13)
・微細化の次は立体化・統合化
・3D積層とハイブリッドボンディングが鍵
・光I/Oは電気配線の限界を超える
・液冷はAI時代の必須技術
・パッケージは「システムそのもの」になる
【理解チェック】
1.なぜ今後は3Dパッケージが重要になるのか?
2.光I/Oが必要とされる最大の理由は何か?
3.液冷パッケージで最も大きな課題は何か?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
