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9-5. 熱膨張で変形して失敗する ― 材料を組み合わせた瞬間から、温度変化による「ずれ」は始まっている ―

材料・加工技術

公開日:
9-5. 熱膨張で変形して失敗する ― 材料を組み合わせた瞬間から、温度変化による「ずれ」は始まっている ―

熱対策では、複数の材料を組み合わせることが多い。
銅。
アルミ。
樹脂。
フィルム。
TIM。
粘着材。
セラミック。
これらを積層し、一つの部品として使う。
しかし、材料が違えば、温度が上がったときの伸び方も違う。
ある材料は大きく伸びる。
別の材料はほとんど伸びない。
その状態で貼り合わせれば、温度変化のたびに材料同士が引っ張り合う。
その結果、
反る。
剥がれる。
クラックが入る。
位置がずれる。
接触状態が変わる。
といった問題が起こる。
つまり熱対策では、熱を逃がす材料を組み合わせるだけでなく、
温度が変わったときに各材料がどう動くかまで考える必要がある。

目次

■熱膨張とは何か

■単体では問題なくても、貼り合わせると問題が起こる

■反りはなぜ起こるのか

■薄い材料ほど反りの影響を受けやすいことがある

■積層数が増えるほど挙動は複雑になる

■粘着材が応力を吸収することもある

■強く接着すれば良いわけではない

■剥離は端部から始まりやすい

■鋭い角は応力集中を起こしやすい

■金属箔とフィルムの組み合わせでは特に注意が必要

■非対称積層は反りやすい

■ただし対称にすれば必ず良いわけではない

■高温時だけではなく、低温時にも問題は起こる

■温度差が大きいほど応力も大きくなりやすい

■熱サイクルは一回ではなく、何度も繰り返される

■微小剥離が熱性能を悪化させる

■最初は冷えていても、数年後に冷えなくなることがある

■熱性能が落ちると、さらに温度が上がる

■パワー半導体では特に重要になる

■EVバッテリーでも材料は動く

■固定しすぎるとセルへ力がかかる

■AIサーバーでも反りが接触を変える

■半導体製造装置では位置精度にも影響する

■スマートデバイスでは薄さゆえに反りが目立つ

■大面積になるほど寸法変化量は大きくなる

■穴位置も温度で変わる

■温度によって粘着材の硬さも変わる

■高温でクリープすると位置がずれることがある

■低温では追従性が低下する場合がある

■振動と熱膨張が組み合わさるとさらに厳しくなる

■材料の向きを変えるだけで挙動が変わることもある

■加工時の張力も残留応力を生む場合がある

■ラミネート条件でも反りは変わる

■失敗例:銅箔を追加したら熱は下がったが部材が反った

■失敗例:初期評価は合格、熱サイクル後に剥離

■失敗例:大面積フィルムの穴位置が合わなくなる

■研究者視点:材料物性ではなく「拘束された状態」を考える

■現場視点:反りを見つけたら、材料だけを疑わない

■寸法検査も使用条件を意識する

■OTIS視点:異種材料積層はOTISの専門性が出る領域

■材料の組み合わせを加工段階で確認する

■加工条件を固定することも量産品質になる

■OTISでできること

■OTISの専門外

■まとめ:熱対策材料は、温度が変われば動く

■熱膨張とは何か

材料は、温度が上がると一般に膨張し、温度が下がると収縮する。

このとき、どの程度伸び縮みするかは材料によって異なる。

例えば、金属と樹脂では熱膨張の大きさが違う。

同じ長さの材料でも、同じ温度上昇を与えたときの寸法変化は同じではない。

この違いが、異種材料を組み合わせたときの応力になる。

■単体では問題なくても、貼り合わせると問題が起こる

銅箔単体。

樹脂フィルム単体。

それぞれが自由に伸び縮みできるなら、大きな問題にはならない。

しかし両者を貼り合わせると、自由に伸びることができなくなる。

銅はこれだけ伸びたい。

樹脂はもっと伸びたい。

しかし接着されているため、互いに引っ張り合う。

この結果、

積層体全体が反る

ことがある。

■反りはなぜ起こるのか

二層構造を考える。

上側の材料は温度上昇で大きく伸びる。

下側の材料はあまり伸びない。

しかし二つは貼り合わされている。

上側だけが自由に長くなることはできない。

そこで全体が曲がることで、両方の変形差を吸収しようとする。

これが反りの基本的な考え方である。

つまり反りは、単なる加工不良ではなく、

異なる材料を組み合わせたことによる物理的な結果でもある。

■薄い材料ほど反りの影響を受けやすいことがある

薄膜フィルムや金属箔は、剛性が低い。

そのため、少しの応力でも形状が変わりやすい。

厚い金属板ならほとんど変形しない条件でも、

数十μmのフィルムでは大きく反ることがある。

つまり薄膜化すると、

軽くなる。

省スペースになる。

熱抵抗を下げやすい。

というメリットがある一方、形状安定性は難しくなる。

■積層数が増えるほど挙動は複雑になる

例えば、

グラファイト
 +
絶縁フィルム
 +
粘着材
 +
銅箔

という構造を考える。

各材料で、

熱膨張。

弾性率。

厚み。

硬さ。

が違う。

さらに粘着材は、金属やフィルムとは異なる柔らかい挙動をする。

そのため、温度変化時の反り方は単純ではない。

つまり、多層化するほど、材料単体のデータだけでは完成品の挙動を予測しにくくなる。

■粘着材が応力を吸収することもある

粘着材は柔らかいため、材料間の膨張差を吸収する役割を持つ場合がある。

硬い材料同士を直接接合するより、柔軟な粘着層を挟むことで応力を緩和できることがある。

一方で、柔らかすぎると、

ずれる。

クリープする。

厚みが変わる。

といった別の問題が起こる。

つまり粘着材には、固定と応力吸収の両方の役割がある。

■強く接着すれば良いわけではない

剥がれないように、非常に強い接着材を使う。

一見すると正しい。

しかし材料同士の熱膨張差が大きい場合、接着界面が動けなくなる。

すると応力が、

接着層。

材料本体。

端部。

へ集中する。

その結果、接着層が剥がれなくても、材料側にクラックが入ることもある。

つまり、接着力が高いことと、長期信頼性が高いことは同じではない。

■剥離は端部から始まりやすい

積層材では、端部に応力が集中しやすい。

中央部は周囲の材料によって拘束されている。

一方、端部は自由端になっている。

温度サイクルを繰り返すと、端部から少しずつ浮きや剥離が進むことがある。

つまり、

端部形状。

角形状。

粘着面積。

も長期信頼性に影響する。

■鋭い角は応力集中を起こしやすい

四角いフィルムの角。

細い切り欠き。

鋭い内角。

こうした場所は応力が集中しやすい。

温度変化や振動を受けると、そこを起点に、

クラック。

剥離。

破断。

が起こることがある。

そのため、用途によっては角をR形状にするなど、応力を分散する設計が有効になる。

つまり、外形設計は見た目だけではなく、熱サイクル耐久性にも関係する。

■金属箔とフィルムの組み合わせでは特に注意が必要

銅箔やアルミ箔は熱をよく伝える。

一方、絶縁フィルムや粘着材は別の熱膨張特性を持つ。

これらを積層すると、温度変化時に反りや応力が発生する可能性がある。

特に、

薄い金属箔。

大面積。

非対称積層。

では、反りが出やすくなる場合がある。

つまり、熱拡散性能を上げるために金属箔を追加した結果、形状安定性を悪化させることもある。

■非対称積層は反りやすい

例えば、

片面だけ銅箔。

反対面は樹脂フィルム。

という構造では、上下の構成が違う。

温度が変化したときの膨張挙動も上下で異なる。

そのため、積層体が一方向へ反ることがある。

一方、上下をできるだけ対称に近づけることで、反りを抑えられる場合もある。

つまり積層では、機能配置だけでなく、構造のバランスも重要になる。

■ただし対称にすれば必ず良いわけではない

反りを抑えるために材料を追加する。

しかしその分、

厚くなる。

重くなる。

熱抵抗が増える。

コストが上がる。

という問題が出る。

つまり反り対策だけを最適化すると、別の性能を悪化させる可能性がある。

ここでも全体最適が必要になる。

■高温時だけではなく、低温時にも問題は起こる

熱膨張というと高温を想像しやすい。

しかし低温でも、材料は収縮する。

例えば、

常温で組み立てる。

低温環境へ持っていく。

すると材料ごとの収縮量が違う。

その結果、

剥離。

応力。

反り。

が発生することもある。

つまり重要なのは、使用温度範囲全体である。

■温度差が大きいほど応力も大きくなりやすい

例えば、

25℃から50℃。

と、

25℃から150℃。

では、材料の寸法変化量が違う。

温度変化幅が大きいほど、異種材料間の変形差も大きくなりやすい。

そのため、

自動車。

航空宇宙。

パワーエレクトロニクス。

半導体製造装置。

など、大きな温度変化を受ける分野では特に重要になる。

■熱サイクルは一回ではなく、何度も繰り返される

一回加熱して問題がなかった。

それだけでは十分ではない。

実際の製品では、

起動。

停止。

充電。

放電。

昼。

夜。

夏。

冬。

を繰り返す。

つまり材料は、何百回、何千回と伸び縮みを繰り返す。

初回は問題がなくても、少しずつ疲労が蓄積することがある。

その結果、長期間使用後に、

剥離。

クラック。

接触不良。

が発生する。

つまり、熱サイクルは材料の疲労試験でもある。

■微小剥離が熱性能を悪化させる

積層界面が完全に剥がれなくても、一部分だけ浮くことがある。

この微小剥離部分には空気層ができる。

すると接触熱抵抗が増える。

つまり熱膨張による変形は、

機械的な問題だけではなく、

熱性能低下そのものにつながる。

■最初は冷えていても、数年後に冷えなくなることがある

新品時はTIMが全面接触している。

温度サイクルを繰り返す。

材料の膨張差で少しずつ界面が動く。

一部に浮きができる。

すると熱抵抗が上がる。

部品温度が上がる。

つまり、

初期の熱評価だけでは、長期の熱性能を保証できない。

■熱性能が落ちると、さらに温度が上がる

ここには悪循環が起こる可能性がある。

剥離する。

熱抵抗が上がる。

温度が上がる。

さらに熱膨張差が大きくなる。

剥離が進む。

という循環である。

つまり小さな界面変化が、長期的には大きな性能低下につながることがある。

■パワー半導体では特に重要になる

パワーモジュールでは、

半導体。

セラミック。

銅。

はんだ。

TIM。

冷却プレート。

など、異なる材料が積層される。

さらに大きな電力を扱うため、温度変化も大きくなりやすい。

そのため熱膨張差は、

接合部寿命。

クラック。

剥離。

へ影響する重要な要素になる。

■EVバッテリーでも材料は動く

バッテリーパックでは、

セル。

冷却プレート。

絶縁フィルム。

ギャップフィラー。

粘着材。

などが組み合わされる。

さらにセル自体も、充放電や経年によって寸法が変化する場合がある。

つまりバッテリーでは、

熱膨張に加えて、

セルそのものの膨張

も考える必要がある。

■固定しすぎるとセルへ力がかかる

バッテリーセルを強く固定すれば、位置は安定する。

しかしセルが膨張しようとしたとき、自由に変形できない。

するとセルや周辺部材へ大きな力がかかる。

そのため、

緩衝材。

発泡体。

柔軟な接着層。

などで変形を吸収することがある。

つまり、固定と変形吸収の両立が必要になる。

■AIサーバーでも反りが接触を変える

高性能半導体パッケージでは、大型化や高密度化によって反りが問題になることがある。

パッケージが反る。

ヒートスプレッダーも完全な平面ではない。

その間にTIMを挟む。

すると、場所によってTIM厚みや圧力が変わる。

つまり熱膨張による反りが、

接触熱抵抗のばらつき

を生むことがある。

■半導体製造装置では位置精度にも影響する

装置部材が温度によって伸び縮みすれば、

ステージ位置。

センサー位置。

治具位置。

が変わる。

ここでは熱膨張は、

冷却性能ではなく、

装置精度の問題

になる。

つまり同じ熱膨張でも、産業によって影響の出方が違う。

■スマートデバイスでは薄さゆえに反りが目立つ

スマートフォンやウェアラブルでは、材料が薄い。

そのため積層材の反りが、

外装浮き。

ディスプレイ圧力。

バッテリー干渉。

へ影響する可能性がある。

数百μmの反りでも、数mmの製品厚みの中では無視できないことがある。

■大面積になるほど寸法変化量は大きくなる

熱膨張率が同じでも、元の長さが長ければ絶対寸法変化は大きくなる。

10mmの部材と500mmの部材では、同じ温度変化でも寸法変化量が違う。

そのためEV向け大面積絶縁材や大型ガスケットなどでは、

大面積特有の熱膨張管理が必要になる。

■穴位置も温度で変わる

大きなフィルムに複数の穴を加工する。

室温ではすべて図面どおり。

しかし高温になるとフィルム全体が伸びる。

穴間距離も変わる。

金属ケース側の膨張量とは異なる。

すると組立時や使用時に、穴位置が合わなくなる可能性がある。

つまり大面積部材では、外形だけでなく穴間ピッチの温度変化も見る必要がある。

■温度によって粘着材の硬さも変わる

粘着材は、高温になると柔らかくなる場合がある。

低温では硬くなる場合がある。

そのため温度によって、

応力吸収能力。

固定力。

クリープ。

が変わる。

つまり同じ積層構造でも、温度によって力の伝わり方が変わる。

■高温でクリープすると位置がずれることがある

長時間高温状態に置かれると、粘着材が少しずつ変形することがある。

部材の自重。

熱膨張による応力。

振動。

が加わると、位置が少しずつ動く可能性がある。

この位置ズレが、

接触面積。

絶縁距離。

シール位置。

へ影響することもある。

■低温では追従性が低下する場合がある

低温になると粘着材が硬くなり、柔軟性が低下する場合がある。

すると、

熱膨張差を吸収しにくくなる。

衝撃時に応力が集中する。

剥離しやすくなる。

可能性がある。

つまり材料評価は、常温だけでは不十分である。

■振動と熱膨張が組み合わさるとさらに厳しくなる

EV。

ロボット。

航空機。

では、温度変化に加えて振動もある。

熱膨張で界面へ応力がかかった状態で振動を受ける。

すると剥離やクラックが進みやすくなる可能性がある。

つまり実際の製品では、熱だけの試験ではなく、複合環境での信頼性を見る必要がある場合がある。

■材料の向きを変えるだけで挙動が変わることもある

フィルムには、製造方向によって機械特性や寸法変化が異なる場合がある。

縦方向。

横方向。

で伸び方が違う。

そのため材料取り方向によって、完成品の反りや寸法変化が変わる場合がある。

つまり、同じ材料・同じ形状でも、取り方向が性能条件になることがある。

■加工時の張力も残留応力を生む場合がある

リール・ツー・リール加工では、材料へ張力をかけながら加工する。

強く引っ張った状態でラミネートする。

その後張力を解放する。

すると材料が縮もうとする。

積層相手との間で応力が残る場合がある。

つまり反りの原因は、使用時の温度変化だけではない。

製造工程そのものが残留応力を作ることもある。

■ラミネート条件でも反りは変わる

ラミネート時の、

圧力。

温度。

速度。

張力。

が変われば、完成品の応力状態も変わる。

同じ材料構成でも、加工条件によって反りが違うことがある。

つまり積層部材では、

材料設計とラミネート条件を切り離せない。

■失敗例:銅箔を追加したら熱は下がったが部材が反った

熱拡散を改善するため、フィルム部材へ銅箔を追加した。

熱性能は良くなった。

しかし温度評価後、部材が大きく反った。

貼付面の一部が浮いた。

結果として、長期的な熱性能は逆に悪化した。

つまり、熱伝導性能だけを改善して、積層構造の熱膨張差を見ていなかったのである。

■失敗例:初期評価は合格、熱サイクル後に剥離

試作直後の評価では、

熱性能。

絶縁性能。

接着力。

すべて問題なかった。

しかし熱サイクル試験後、端部から剥離が発生した。

原因は異種材料の膨張差による繰り返し応力だった。

この例では、初期性能だけを見て採用判断したことが失敗につながった。

■失敗例:大面積フィルムの穴位置が合わなくなる

室温で加工した大型絶縁フィルム。

寸法検査も合格。

しかし高温状態で金属ケースへ組み付けようとすると、穴位置がずれる。

フィルムと金属の膨張量が違っていた。

つまり、加工寸法は正しかったが、使用温度での寸法は正しくなかったのである。

■研究者視点:材料物性ではなく「拘束された状態」を考える

熱膨張係数は材料単体の物性である。

しかし実際の製品では、材料は自由に伸び縮みできない。

貼られている。

ボルトで固定されている。

別材料に挟まれている。

つまり重要なのは、

その材料が実際の構造の中でどのように拘束されているか

である。

同じ材料でも、拘束条件が変われば発生する応力も変わる。

■現場視点:反りを見つけたら、材料だけを疑わない

積層部材が反った。

このとき、

「フィルムが悪い」

と決めつけるのは早い。

確認したいのは、

材料構成。

上下の厚みバランス。

取り方向。

ラミネート張力。

加工温度。

保管条件。

である。

反りは、複数の条件が組み合わさって発生することが多い。

■寸法検査も使用条件を意識する

加工直後に寸法を測定する。

図面どおり。

しかし顧客が使う環境は80℃。

あるいはマイナス20℃。

この場合、室温寸法だけで十分かを考える必要がある。

用途によっては、使用温度を想定した寸法変化まで確認する価値がある。

■OTIS視点:異種材料積層はOTISの専門性が出る領域

熱対策では、

TIM。

グラファイト。

銅箔。

絶縁フィルム。

粘着材。

を組み合わせることがある。

しかし材料を積層した瞬間に、

熱膨張差。

反り。

剥離。

厚み公差。

という新しい問題が生まれる。

つまり、

材料を重ねることは、機能を足すだけではなく、材料同士の関係を設計すること

でもある。

ここは高精度ラミネートを行う加工会社が価値を出せる領域である。

■材料の組み合わせを加工段階で確認する

例えば、

この銅箔厚みなら反りが大きくならないか。

この粘着材なら応力を吸収できるか。

この構成なら片面だけ強くならないか。

こうした視点を試作段階から持つ。

材料メーカーのデータだけでは分からないため、実際に積層して評価することも重要になる。

■加工条件を固定することも量産品質になる

同じ材料構成でも、

ラミネート圧力。

張力。

速度。

温度。

が変われば完成品状態が変わることがある。

そのため量産では、寸法だけでなく、

加工条件そのものを安定させる

必要がある。

これは材料性能を量産性能へ変える重要な部分である。

■OTISでできること

OTISでは、

● 異種材料積層

● 高精度ラミネート

● 薄膜加工

● 金属箔加工

● 絶縁フィルム加工

● TIM加工

● グラファイト加工

● 粘着材加工

● 部分ラミネート

● 高精度打ち抜き

● 材料取り方向を考慮した加工

● 長尺張力管理

● 寸法・位置精度管理

● 試作から量産条件への展開

などを通じて、異種材料を組み合わせた機能部材を量産へ近づけることができる。

OTISが材料の熱膨張係数そのものを変えることはできない。

しかし、材料構成・形状・積層・加工条件によって、熱膨張差が問題になりにくい部材へ近づけることは可能である。

■OTISの専門外

OTISは、

● 材料そのものの熱膨張係数開発

● 樹脂配合設計

● 半導体パッケージ全体の応力解析

● CAE専業の熱応力解析

を専門とする会社ではない。

必要に応じて、材料メーカー、解析会社、顧客設計部門と連携する。

その中でOTISは、実際に積層・加工した部材として、量産状態へ近づける役割を担う。

■まとめ:熱対策材料は、温度が変われば動く

熱対策では、熱伝導率や熱抵抗に目が向きやすい。

しかし材料そのものも、温度によって伸び縮みする。

銅。

アルミ。

樹脂。

フィルム。

粘着材。

それぞれの動きは違う。

それらを貼り合わせれば、温度変化のたびに内部へ応力が生まれる。

その結果、

反る。

剥がれる。

クラックが入る。

接触状態が変わる。

熱性能が落ちる。

ということが起こる。

だから異種材料を組み合わせるときには、初期の熱性能だけでは足りない。

温度が変わった後も、その形状・接触・位置を維持できるか。

ここまで確認する必要がある。

熱対策材料は、静止しているように見える。

しかし温度が変わるたびに、内部では材料同士が引っ張り合っている。

だから長期的な熱性能を成立させるには、

熱をどう流すかだけでなく、材料がどう動くかまで設計すること が重要なのである。

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません

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