第1章 技術の精度は、人の精度から始まる
どれだけ高精度な設備があっても、
図面通りに製品を仕上げるのは人の判断と感覚だ。
● 測定器のゼロ合わせを毎朝欠かさない。
● クリーンルーム入室前の手順を省かない。
● 不具合を「許容」せず、「なぜ」を突き詰める。
それらはマニュアルでなく、文化として根づいた精度意識。
この人の精度があってこそ、
±0.05mmという数字は、現場の誇りになる。
第2章 見えない誤差を減らす経営
誤差は、製品だけに存在するものではない。
情報伝達のズレ、判断基準のばらつき、目的の共有不足。
それらも立派な経営上の誤差だ。
オーティスでは、
● 現場・営業・技術・品質が同じ情報を共有する仕組み
● 判断を属人化しない「決定のプロセス設計」
● 「再現できる成功体験」を共有する会議文化
を通じて、組織全体の誤差を最小化している。
これはまさに、経営のダイカットだ。
余分を削り、必要な要素だけを正確に積み重ねる。
それが、再現性ある経営のかたち。
第3章 再現性は技術力の最高形
精度の高い製品とは、偶然うまくいったものではない。
どの現場、どの社員が作っても同じ品質が出せる、
それが本当の強さだ。
オーティスでは、この再現性を経営指標として重視している。
● 技術の標準化
● 設備条件のデータ化
● 品質トレースと再分析
それらを積み上げることで、
1回できたを 「いつでもできる」 に変える。
そしてそれは、顧客にとっての「安心」に変わる。
オーティスが提供しているのは、製品そのものではなく、再現性という信頼だ。
第4章 文化としての精度
精度を数字として追うことはできる。
しかし、それを文化として根づかせるには、
時間と人の共感が必要だ。
「どうすれば誤差が減るか?」ではなく、
「どうすれば再現できるか?」を考える。
その違いが、
単なる技術集団と、精度文化を持つ企業を分ける。
オーティスの精度文化は、
クリーンルームの中だけでなく、
会話、資料、会議、顧客対応、すべての行動の中に宿っている。
まとめ
オーティスの強さは、精度の高さではない。
精度を当たり前にする仕組みと文化にある。
だからこそ、
新しい素材でも、設備でも、人でも、場所でも、同じ結果が出せる。
それが、経営の証。
(モノづくりの企業経営者として、目指しています。)
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。



