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0章. 超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」
0-4. 3D半導体は熱の逃げ場を失う 〜未来のAIチップは、“熱閉じ込め問題”と戦うことになる〜

材料・加工技術

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0章.	超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」<br>0-4. 3D半導体は熱の逃げ場を失う 〜未来のAIチップは、“熱閉じ込め問題”と戦うことになる〜

AIの進化によって、半導体は急激に高性能化している。
しかしその裏で、半導体業界は、ある大きな壁にぶつかり始めている。
それが、熱である。

しかもこれは、単なる発熱問題ではない。
むしろ今後は、熱の逃げ場がなくなる問題が深刻化していく。

■なぜ半導体は積み上がり始めたのか

これまで半導体は、主に平面方向へ進化してきた。

つまり、

● 微細化

● 高密度化

● 回路縮小 によって、性能を向上させてきた。

 

しかし近年、微細化だけでは限界が見え始めている。

そのため現在、急速に進んでいるのが、3D化である。

■3D半導体とは何か

3D半導体とは、簡単に言えば、半導体を積み重ねる技術である。

例えば、

  • メモリ
  • AIチップ
  • GPU
  • HBM  などでは、複数のチップを上下方向へ積層する技術が進んでいる。

 

これにより、

● 高速化

● 小型化

● 大容量化

● 低遅延化 などが可能になる。

 

つまり3D化は、AI時代に不可欠な技術になり始めている。

■しかし積むと熱が逃げない

ここで大きな問題が起きる。

半導体は、動作すると熱を出す。

平面構造なら、ある程度横方向へ熱を逃がせた。

しかし3D化すると、熱源が上下方向へ積み重なる。

つまり、熱いものを重ねる状態になる。

これは非常に厳しい。

■下のチップほど地獄になる

特に問題なのが、積層下部である。

上に複数チップが載ることで、

● 熱が閉じ込められる

● 放熱経路が減る

● 温度上昇する

● 冷えにくくなる などの問題が起きる。

つまり今後の3D半導体では、どれだけ性能が高いかより、

どれだけ熱を逃がせるかが重要になる。

■AI時代は熱密度が異常に上がる

特にAI用途では、演算密度が急激に増えている。

つまり、小さい面積に、膨大な電力が集中する。

すると、発熱密度が異常に上がる。

これは従来の半導体とは、レベルが違う。

■熱は性能そのものを止める

半導体は高温になると、

● 性能低下

● ノイズ増加

● 劣化

● エラー

● 寿命低下 などが発生する。

つまり熱問題は、ちょっと熱いでは済まない。

AI時代では、熱が性能そのものを止める可能性がある。

■だから今、世界中で熱対策競争が起きている

現在、半導体業界では、

● TSV

● 高熱伝導材料

● ベイパーチャンバー

● 次世代TIM

● 放熱構造

● 液冷

● 高精度実装 など、さまざまな熱対策が研究されている。

つまり未来の半導体競争は、回路競争だけではなく、

熱競争にもなり始めている。

■研究者視点

熱を逃がせる構造が重要になる

今後重要になるのは、

● 熱拡散

● 熱伝導

● 接触抵抗低減

● 積層構造

● 材料選定

● 放熱経路最適化 など。

 

つまり未来の半導体では、どう積むかだけではなく、

どう熱を逃がすかが極めて重要になる。

■現場視点

理論より接触が難しい

しかし実際の現場では、さらに難しい問題が起きる。

例えば、

● 微細な浮き

● 接触不良

● 数μmレベルの段差

● 空気層

● 材料変形

● 熱膨張差

● 実装ズレ など。

つまり、理論上熱が逃げると、

実際に量産で熱が逃げるは全く違う。

■熱の最後の1mmが極端に難しくなる

3D半導体では、

● 薄い

● 小さい

● 高密度

● 多層 が同時に進む。

 

すると、微細な接触条件が極めて重要になる。

例えば、

● 数十μmの浮き

● わずかな空気層

● 接触ムラ だけでも、熱性能が大きく変わる可能性がある。

 

つまり未来の半導体では、熱の最後の1mmの難易度が爆発的に上がる。

■OTIS視点で重要なこと

OTIS視点では、3D半導体時代に重要なのは、

● 微細加工

● 薄膜加工

● 高精度貼り合わせ

● 異種材料接触

● 高精度打ち抜き

● ラミネート

● 接触安定性

● 量産安定性 などである。

特に、高性能材料を、高精度で成立させることが重要になる。

■OTISでできること

OTISでは、

● 微細加工

● 高精度打ち抜き

● 薄膜加工

● 高精度ラミネート

● 熱対策材料加工

● 異形状積層

● 自動化供給対応 などを通じて、

熱対策機能を量産で成立させることに貢献できる可能性がある。

■OTISの専門外

一方でOTISは、

● 半導体設計

● AIチップ開発

● GPU設計

● 半導体製造装置開発

● 回路設計  を専門とする会社ではない。

 

しかし、熱問題を量産工程で成立させるという領域では、

重要な役割を担える可能性がある。

■まとめ

未来の半導体は熱との戦いになる

AI時代では、半導体はさらに、

● 高性能化

● 小型化

● 高密度化

● 積層化 していく。

しかしその結果、熱の逃げ場が失われ始めている。

つまり未来の半導体競争は、どれだけ計算できるかだけではなく、

どれだけ熱を成立できるかで決まる時代になるのかもしれない。

 

そしてその裏側では、熱の最後の1mmを支える技術が、ますます重要になっていく。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

 

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