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2. 世の中の熱問題編 どこで熱問題が起きているのか
2-6. ロボットの熱問題 〜ロボットは“動く発熱体”である〜

材料・加工技術

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2. 世の中の熱問題編 どこで熱問題が起きているのか<br>2-6. ロボットの熱問題 〜ロボットは“動く発熱体”である〜

ロボットの進化が加速している。
工場の産業用ロボット。
物流ロボット。
協働ロボット。
医療ロボット。
介護ロボット。
清掃ロボット。
そして人型ロボット。
AIの進化によって、ロボットは単なる自動機械から、周囲を認識し、自分で判断し、動作する存在へ変わり始めている。
しかし、ロボットが高性能化するほど、避けられない問題がある。
熱である。
ロボットは、動けば動くほど熱を出す。
考えれば考えるほど熱を出す。
小型化すればするほど熱を逃がしにくくなる。
つまりロボットは、動く発熱体でもある。

■ロボットの中には発熱源が多い

ロボットには、多くの発熱源がある。

 ● モーター

 ● ギア

 ● 減速機

 ● バッテリー

 ● 制御基板

 ● センサー

 ● AI演算チップ

 ● 通信モジュール

 ● 電源回路

これらが同時に動く。

特にロボットは、静止している電子機器とは違う。

動く。曲がる。止まる。加速する。荷物を持つ。人と接触する。

そのたびにエネルギーを使い、熱を発生させる。

■一番難しいのは関節部

ロボットの熱問題で特に重要なのが、関節部である。

関節には、モーター、減速機、センサー、配線、制御部品が集中する。

しかも人間のように自然に動かそうとすると、関節は小さく、軽く、高出力でなければならない。

つまり関節部では、小さい空間に発熱源が密集するという状態になる。

ここがロボット熱問題の本丸である。

■高出力化すると熱が増える

ロボットには力が必要である。

重いものを持つ。

素早く動く。

細かく制御する。

長時間稼働する。

これらを実現しようとすると、モーターや制御回路の負荷が上がる。

負荷が上がれば、発熱も増える。

つまりロボットの性能向上は、発熱増加とセットになりやすい。

■小型化すると熱が逃げない

一方で、ロボットには小型化も求められる。

大きすぎると、人間の生活空間に入れない。

重すぎると、消費電力が増える。

太すぎると、動作範囲が狭くなる。

だからロボットは、できるだけ小さく、軽く作られる。

しかし小型化すると、熱を逃がす空間が減る。

つまりロボットは、高出力にしたいと、小さくしたいが正面から衝突する。

■人に近づくほど熱問題は難しくなる

工場の大型ロボットであれば、多少熱くても、人が直接触れる場面は限られる。

しかし協働ロボットや人型ロボットでは違う。

人の近くで動く。

人と同じ空間で働く。

場合によっては人に触れる。

このとき、ロボットの表面が熱いと問題になる。

 ● 不快感

 ● 低温火傷リスク

 ● 安全性低下

 ● 信頼感低下につながる可能性がある。

つまり人に近いロボットでは、内部部品が壊れない温度だけでは足りない。

人が安心して触れられる温度である必要がある。

■静かに冷やす必要がある

ロボットでは、冷却方法にも制約がある。

大型ファンを使えば冷やせるかもしれない。

しかし、

 ● 音が出る

 ● 重くなる

 ● 消費電力が増える

 ● 可動部が増える

 ● 故障リスクが増える

 ● 防塵・防水性が落ちる といった問題がある。

特に家庭、医療、介護、オフィス向けロボットでは、騒音は大きな問題になる。

つまりロボットでは、静かに冷やすことが重要になる。

■ロボットは熱 × 軽量 × 安全性の複合問題

ロボットの熱問題は、単なる放熱問題ではない。

実際には、

 ● 熱

 ● 軽量化

 ● 静音性

 ● 安全性

 ● 柔軟性

 ● 耐久性

 ● 防塵・防水

 ● 可動性

 ● 量産安定性 が同時に絡む。

 

つまりロボットでは、冷やせばよいだけでは成立しない。

動けること。

軽いこと。

壊れないこと。

人に安全であること。

量産できること。

ここまで含めて、熱対策になる。

■配線・センサー・基板も熱の影響を受ける

ロボットの中には、多数の配線やセンサーが入っている。

関節が動くたびに、配線は曲がる。

振動も受ける。

温度変化も受ける。

熱によって材料が硬化したり、粘着材が劣化したり、絶縁性が変化したりする可能性もある。

つまりロボットの熱問題は、モーターだけの問題ではない。

内部にあるフィルム、テープ、絶縁材、緩衝材、固定材にも影響する。

■接着・固定が熱で変わる

ロボット内部では、部材を固定するためにテープや接着材が使われることがある。

しかし熱がかかると、

 ● 粘着力低下

 ● 剥離

 ● ずれ

 ● 硬化

 ● 変形

 ● 浮き が起きる可能性がある。

そして浮きや剥離が起きると、熱の逃げ道も変わる。

つまりロボットでは、熱で接着が変わり、接着が変わることで熱も変わるという関係が起きる。

ここはかなり重要である。

■異種材料の接点が熱問題になる

ロボットには、さまざまな材料が使われる。

 ● 金属

 ● 樹脂

 ● ゴム

 ● フィルム

 ● テープ

 ● センサー

 ● 基板

 ● 絶縁材

 ● 放熱材

これらは熱膨張の仕方が違う。

温度が変わると、それぞれ別々に動く。

その結果、

 ● 浮き

 ● 剥離

 ● 応力集中

 ● 接触不良

 ● 異音

 ● 変形 が起きることがある。

つまりロボットの熱対策では異種材料の界面が重要になる。

■AI搭載で熱問題はさらに増える

今後のロボットには、さらにAIが搭載されていく。

画像認識。

音声認識。

姿勢制御。

自律移動。

人との対話。

作業判断。

これらを行うには、演算が必要になる。

演算が増えれば、発熱も増える。

つまり未来のロボットでは、モーターの熱と、AI演算の熱が同時に存在する。

ロボットは、筋肉も脳も熱を出す存在になっていく。

■バッテリーも熱を持つ

ロボットがコードレスで動くためには、バッテリーが必要になる。

バッテリーは、充電時にも放電時にも熱を出す。

特に高出力で長時間動かすロボットでは、バッテリーの熱管理も重要になる。

つまりロボットでは、

 ● モーター熱

 ● 制御基板熱

 ● AIチップ熱

 ● バッテリー熱 を同時に考える必要がある。

■長時間稼働で熱は蓄積する

ロボットは、一瞬動けばよいわけではない。

工場や物流では、長時間稼働が求められる。

介護や医療では、安定して動き続けることが求められる。

長時間動くと、熱は蓄積する。

短時間の試験では問題がなくても、長時間稼働では温度が上がり続けることがある。

つまりロボットでは、瞬間性能より、

連続稼働時の熱安定性が重要になる。

■研究者視点 : ロボットは熱を抱えながら動く機械である

研究開発では、

 ● 高効率モーター

 ● 軽量放熱材

 ● 柔軟放熱材

 ● 小型冷却機構

 ● 高耐熱絶縁材

 ● AIによる温度制御

 ● バッテリー熱管理 などが重要になる。

ロボットでは、単に冷やすだけではなく、動きながら熱を制御することが求められる。

■現場視点 : ロボットは動くから、接触条件が変わる

ロボットの難しさは、動くことである。

止まった状態では接触していても、動作中に接触状態が変わることがある。

 ● 曲げ

 ● 振動

 ● 衝撃

 ● 繰り返し動作

 ● ケーブル引き回し

 ● 部材のずれ

 ● 熱膨張

これらによって、放熱材や絶縁材の状態が変わる。

つまりロボットでは、静止状態で成立する熱対策だけでは足りない。

動作中も成立する熱対策が必要になる。

■貼り合わせと供給形態が重要になる

ロボット内部では、狭い空間に多くの部材を配置する必要がある。

そのため、放熱材、絶縁材、固定材、緩衝材などは、

 ● 小さい

 ● 薄い

 ● 複雑形状

 ● 曲面対応

 ● 高精度 であることが求められる。

さらに量産では、自動化工程で安定して供給できる形にする必要がある。

つまりロボットの熱対策では、材料そのものだけではなく、

どう加工し、どう貼り、どう供給するかが重要になる。

■OTIS視点

OTIS視点では、ロボットの熱問題で重要なのは、

 ● 薄膜加工

 ● 高精度打ち抜き

 ● 放熱材加工

 ● 絶縁材加工

 ● 粘着材加工

 ● 高精度ラミネート

 ● 異種材料貼り合わせ

 ● 曲面追従部材の加工

 ● リール供給

 ● 自動化対応

 ● 量産安定性 である。

特にロボットでは、小さく、薄く、軽く、動いても成立することが重要になる。

■OTISでできること

OTISでは、

 ● 放熱シート加工

 ● 絶縁シート加工

 ● 粘着テープ加工

 ● フィルム加工

 ● 高精度打ち抜き

 ● 微細加工

 ● 高精度ラミネート

 ● 異形状積層

 ● リール供給対応

 ● 自動化工程向け供給形態設計

などを通じて、ロボット向け機能部材の量産成立に貢献できる可能性がある。

特に、ロボットでは関節や狭小空間に使う部材が多くなるため、

高精度加工、柔軟な供給形態、量産安定性 が重要になる。

■OTISの専門外

一方でOTISは、

 ● ロボット本体設計

 ● モーター開発

 ● 減速機開発

 ● ロボット制御ソフト開発

 ● AIアルゴリズム開発

 ● バッテリーセル開発

を専門とする会社ではない。

しかし、ロボット内部で使われる熱対策部材・絶縁材・固定材を量産工程で成立させる

という領域では、重要な役割を担える可能性がある。

■この技術が重要になる産業

★★★★★ 産業用ロボット

★★★★★ 協働ロボット

★★★★★ 人型ロボット

★★★★☆ 物流ロボット

★★★★☆ 医療・介護ロボット

★★★★☆ 自動化設備

■まとめ

ロボットは、動くほど熱を持つ

ロボットは、モーター、制御基板、センサー、AIチップ、バッテリーを持つ。

つまりロボットは、動く発熱体である。

しかも今後、ロボットは小型化し、高性能化し、人に近づいていく。

その結果、熱問題はさらに難しくなる。

ロボットの熱対策では、冷えればよいだけでは足りない。

軽く、静かで、安全で、動作中も安定し、量産でも成立する。

そこまでできて、初めて本当の熱対策になる。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません

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