【1】微細化中心モデルの限界
これまでの半導体産業はムーアの法則を中心に発展してきた。
つまり
・微細化
・高性能化
・低消費電力を実現するためにプロセスノード競争が続いてきた。
しかし
・製造コストの急増
・技術難度の上昇により、
微細化だけでは限界が見え始めている。
【2】Chipletアーキテクチャ
そこで注目されているのがChiplet(チップレット)という考え方。
これは
1つの巨大チップではなく
・CPU
・GPU
・メモリ
・I/Oなどを複数の小さなチップに分割しパッケージ内で接続する技術。
メリット:
・歩留まり向上
・設計柔軟性
・コスト削減
【3】先端パッケージの重要性
Chiplet時代ではパッケージ技術が性能を左右する。
重要技術:
・2.5Dパッケージ
・3D積層
・HBM接続
・インターポーザ
つまり後工程が主役になる時代。
【4】地域分散型製造
地政学リスクにより製造拠点の集中が問題になっている。
そのため各国は
・米国ファブ建設
・欧州半導体投資
・日本製造回帰など地域分散型サプライチェーンを進めている。
【5】国家補助金競争
半導体工場は国家プロジェクトになりつつある。
理由:
・投資額が巨大
・国家安全保障
・産業基盤
そのため各国が巨額補助金を投入している。
【6】Foundryエコシステム
Foundry企業は単なる製造企業ではなく、エコシステムの中心になっている。
例:
TSMC
・設計支援
・IP連携
・パッケージ統合
設計企業との密接な協力が進む。
【7】設計と製造の統合(DTCO)
DTCOとはDesign Technology Co-Optimization
設計とプロセスを同時に最適化する考え方。
例:
・トランジスタ構造
・配線設計
・電源設計
設計と製造の境界が曖昧になっている。
【8】ソフトウェアとの統合
近年はハードウェアだけでなくソフトウェア最適化も重要。
例:
・AIフレームワーク
・コンパイラ
・ソフト最適化
ハードとソフトの共同設計が進む。
【9】パワー半導体の拡大
電動化によりパワー半導体が急成長。
主な材料:
・SiC
・GaN
用途:
・EV
・再エネ
・産業機器
これは従来ロジックとは別のサプライチェーンを作る。
【10】新しい分業構造
次世代半導体産業では新しい分業が生まれる。
例:
・Fabless(設計)
・Foundry(製造)
・OSAT(後工程)
・パッケージ企業
・基板企業
・材料企業
より複雑な巨大エコシステムになる。
【11】半導体産業の未来
今後の半導体産業は次の要素で動く。
・AI需要
・電動化
・データセンター
・5G / 6G
・自動運転
つまり半導体はすべての産業の基盤技術となっていく。
【まとめ|8-11】
・微細化中心モデルは限界に近い
・Chipletが新しい設計手法
・先端パッケージの重要性が増大
・サプライチェーンは地域分散へ
・半導体は国家戦略産業
【理解チェック】
1.Chipletアーキテクチャの利点は何か?
2.なぜ先端パッケージの重要性が高まっているのか?
3.なぜ各国が半導体製造を国内に誘致しているのか?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
