【1】IDMとは何か
IDMとは設計+製造の垂直統合型企業。
主な特徴:
・自社で回路設計
・自社工場で製造
・自社で品質保証
代表企業:
・Intel
・Texas Instruments
・Infineon
・Renesas
・STMicroelectronics
半導体産業の伝統的なビジネスモデルである。
【2】なぜIDMモデルが生まれたのか
半導体産業の初期は、ほぼすべての企業がIDMだった。
理由:
・製造技術が企業秘密
・設計と製造が密接
・設備投資がまだ小さい
そのため、設計と製造を分ける発想がなかった。
【3】IDMの強み
IDM最大の強みは設計と製造の最適化。
メリット:
・製造プロセス最適設計
・性能チューニング
・品質管理の一体化
・供給安定性
特に
・車載
・産業機器
・パワー半導体 ではIDMが強い。
【4】IDMの弱み
一方で弱点もある。
・設備投資が巨大
・開発負担が重い
・市場変化に弱い
最先端ファブは2〜3兆円投資。
すべての企業が負担できるわけではない。
【5】IDMの代表企業
代表例をいくつか。
Intel
・CPU ・データセンター ・AIチップ
かつては最先端プロセスの王者。
現在はFoundry事業も開始。
Texas Instruments
・アナログ半導体 ・パワーIC ・車載向け製品
成熟ノードで高収益モデルを構築。
Infineon
・車載半導体
・パワー半導体
・SiCデバイス
EV市場で急成長。
【6】IDMとFablessの違い
最大の違いは製造を持つかどうか。
Fabless
・設計専門
・製造はFoundry委託
IDM
・設計+製造
・自社最適化
それぞれにメリット・デメリットがある。
【7】IDMとFoundryの関係
最近は境界が曖昧になりつつある。
例:
Intel
・自社CPU製造
・Foundry事業も開始
Samsung
・自社製品
・Foundry事業
つまり、IDM+Foundryのハイブリッド。
【8】IDMが強い分野
IDMが特に強い領域。
・パワー半導体
・アナログ半導体
・車載半導体
・産業用途
理由:
・長期信頼性
・品質保証
・顧客密着
量産ロジックとは競争軸が違う。
【9】日本企業とIDM
日本企業の多くはIDM型。
例:
・Renesas
・Sony Semiconductor
・Rohm
・Toshiba
特に
・車載
・センサー
・パワー で強い。
【10】IDMモデルの今後
IDMは消えるわけではない。
むしろ
・車載
・パワー
・産業機器ではIDMの重要性が増している。
理由:
・品質要求
・長期供給
・安全性
【11】IDMと次世代半導体
今後の鍵は
・SiC
・GaN
・車載半導体
・AI向けアクセラレータ
ここでは設計と製造の連携が重要。
IDMモデルの強みが生きる。
【まとめ|8-4】
・IDMは設計+製造の垂直統合モデル
・半導体産業の伝統的形態
・最適設計と品質管理が強み
・設備投資負担が弱点
・車載・パワー半導体では今も主流
【理解チェック】
1.IDM企業の最大の特徴は何か?
2.IDMモデルの強みはどこにあるか?
3,なぜ車載半導体ではIDMが強いのか?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
