【1】半導体産業における日本の位置
日本企業は主に
・材料
・製造装置
・基板
・検査 といった製造支援領域で強い。
つまりチップを設計する国ではなく、チップを作るための基盤を支える国という位置にある。
【2】材料分野の強み
半導体材料では日本企業の存在感が大きい。
代表例:
・信越化学(シリコンウェハ)
・SUMCO(シリコンウェハ)
・JSR(フォトレジスト)
・東京応化(フォトレジスト)
・住友化学(材料)
これらの企業は世界シェア上位を占める。
【3】製造装置分野の強み
半導体製造装置でも日本企業は強い。
代表企業:
・東京エレクトロン
・SCREEN
・Hitachi High-Tech
・EBARA
・Canon
特に
・洗浄装置
・成膜装置
・計測装置などで世界シェアが高い。
【4】パッケージ基板の強み
高性能半導体の基盤であるABF基板でも日本企業が強い。
代表企業:
・Ibiden
・Shinko
AIチップの普及でこの分野の重要性は急上昇している。
【5】検査・計測技術
半導体はナノメートル精度の産業。
そのため検査・計測技術が重要になる。
日本企業は
・電子顕微鏡
・計測装置
・検査技術などで世界的な強みを持つ。
【6】日本が弱くなった分野
一方で日本が弱くなった分野もある。
主な領域:
・最先端ロジック半導体
・Fabless企業
・Foundry
現在の最先端ロジック製造は
・TSMC
・Samsungが主導している。
【7】なぜ日本は後退したのか
理由は複合的。
・設備投資競争の激化
・ITバブル後の再編
・設計企業の不足
・水平分業への対応遅れ
特にFabless企業の育成不足が大きかった。
【8】現在の日本半導体戦略
近年、日本政府は半導体産業の再強化を進めている。
主な取り組み:
・Rapidusプロジェクト
・TSMC熊本工場
・装置・材料支援
目的は先端製造の国内回帰。
【9】Rapidusの挑戦
Rapidusは日本主導の先端ロジック製造企業。
目標:
・2nmプロセス
・北海道工場
IBMとの協力で開発が進んでいる。
成功すれば日本の製造力復活につながる。
【10】日本の役割
日本の半導体産業は「主役」ではなく「基盤」である。
しかし基盤が止まれば産業は止まる。
つまりサプライチェーンの要石。
【11】今後の可能性
日本が強い分野は今後さらに重要になる。
・材料
・装置
・パッケージ
・パワー半導体
特に
・EV
・AI
・データセンターの成長で需要が拡大している。
【まとめ|8-9】
・日本は設計分野では弱い
・材料・装置では世界トップ
・サプライチェーンの基盤を担う
・Rapidusで先端製造復活を目指す
・今後も材料・装置が重要
【理解チェック】
1.日本企業が強い半導体分野は何か?
2.日本が最先端ロジックで弱くなった理由は?
3.Rapidusプロジェクトの目的は何か?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
