【1】温室効果ガスとは何か
温室効果ガスとは大気中で熱を閉じ込める性質を持つガス。
代表例:
・CO₂(二酸化炭素)
・CH₄(メタン)
・N₂O(一酸化二窒素)
半導体製造ではこれらに加え特殊なガスも問題になる。
【2】PFCガス
半導体製造ではPFC(Perfluorocarbon)ガスが使われる。
用途:
・プラズマエッチング
・装置クリーニング
特徴:
・非常に安定
・分解されにくい
そのため温暖化への影響が大きい。
【3】温暖化係数(GWP)
温室効果ガスの影響はGWP(Global Warming Potential)で評価される。
GWPとはCO₂を1とした場合の温暖化効果の大きさ。
例:
・CO₂ → 1
・PFC → 数千〜1万以上
つまり非常に強い温室効果を持つ。
【4】NF3ガス
半導体製造ではNF3(窒素三フッ化物)も使われる。
用途:
・CVD装置のクリーニング
NF3は効率が高いガスだが温暖化係数も高い。
【5】電力由来のCO₂
半導体工場では電力消費が大きい。
そのため電力発電によるCO₂排出も問題になる。
特に
・先端ファブ
・AI半導体工場
では電力需要が増えている。
【6】ガス排出削減技術
半導体工場ではガス排出削減技術が導入されている。
例:
・燃焼処理装置
・プラズマ分解装置
・排ガス処理設備
これにより温室効果ガスを分解する。
【7】代替ガスの開発
温室効果ガス削減のため代替ガスの研究も進められている。
例:
・低GWPガス
・新プロセス材料
ただし
プロセス性能との両立が課題。
【8】企業の脱炭素目標
多くの半導体企業が脱炭素目標を掲げている。
例:
・カーボンニュートラル
・再生可能エネルギー導入
・排出削減
ESG経営の重要テーマ。
【9】サプライチェーン全体の排出
半導体産業ではサプライチェーン全体の排出も問題になる。
例:
・材料製造
・装置製造
・物流
企業はScope1・Scope2・Scope3 排出を管理する必要がある。
【10】半導体と脱炭素社会
半導体は温暖化問題解決にも貢献する。
例:
・EV(電気自動車)
・再生可能エネルギー制御
・省エネデータセンター
つまり半導体は温暖化問題の原因でもあり解決技術でもある。
【11】今後の課題
今後の課題:
・温室効果ガス削減
・電力効率改善
・再エネ導入
半導体産業は技術革新と環境対応の両立が必要。
【まとめ|9-6】
・半導体製造では温室効果ガスが発生
・PFCやNF3は温暖化係数が高い
・電力消費もCO₂排出に関係
・排ガス処理や代替ガス研究が進む
・半導体は脱炭素社会にも貢献する
【理解チェック】
1.半導体製造でPFCガスが使われる理由は何か?
2.温暖化係数(GWP)とは何を示す指標か?
3.半導体産業が脱炭素社会に貢献する例は何か?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

