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0章. 超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」
0-7. 宇宙では熱を逃がせない 〜宇宙時代、人類は冷やせない世界と向き合うことになる〜

材料・加工技術

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0章. 超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」<br>0-7. 宇宙では熱を逃がせない 〜宇宙時代、人類は冷やせない世界と向き合うことになる〜

宇宙産業が急速に拡大している。
•民間ロケット
•衛星通信
•月面基地
•宇宙ステーション
•火星探査
•宇宙ロボット
かつて国家プロジェクトだった宇宙は、徐々に産業へ変わり始めている。
しかし、宇宙には、地上とは決定的に違う問題がある。

それが、熱である。
しかも宇宙では、熱を逃がすこと自体が非常に難しい。

■地上では空気が助けてくれている

地球上では、私たちは普段、無意識に熱を逃がしている。

例えば、

● 空気

● 風

● 水

● 対流  など。

つまり地上では、空気が熱を運んでくれている。

■宇宙には空気がない

しかし宇宙空間は、ほぼ真空である。

つまり、空気が存在しない。

すると何が起きるか。

実は、熱が逃げにくくなるのである。

■真空では対流冷却できない

地上では、熱くなった空気が上昇し、周囲へ熱を逃がしている。

これを、対流という。

しかし宇宙では、空気がないため、対流そのものが起きない。

つまり、ファンで冷やすという発想が、そのままでは通用しない。

これは非常に大きな違いだ。

■宇宙では放射が主役になる

では宇宙では、どうやって熱を逃がすのか。

主に使われるのが、放射である。

つまり、赤外線として熱を宇宙へ放出する方法だ。

 

しかし放射は、地上の対流ほど効率が高くない。

つまり宇宙では、熱を捨てる能力そのものが制限される。

■宇宙は極端な温度差とも戦う

さらに宇宙では、

● 太陽が当たる場所 → 超高温

● 日陰 → 超低温  になる。

つまり、極端な温度差が発生する。

これは非常に厳しい。

 

宇宙では熱設計=生存設計

地上では、多少熱くても動く機器は多い。

しかし宇宙では、

● 電子機器

● バッテリー

● センサー

● 通信機器

などが、温度異常で停止すると、ミッション終了になる可能性がある。

つまり宇宙では、熱設計そのものが、生存条件になる。

■月面基地は熱地獄になる可能性がある

今後、月面基地構想も進んでいる。

しかし月面では、

● 大気ほぼ無し

● 真空

● 強烈な太陽光

● 極端温度差  など、熱的には極めて厳しい。

つまり未来の宇宙開発では、どう熱を制御するかが極めて重要になる。

■宇宙ロボットも熱問題を抱える

宇宙ロボットや探査機でも、

● モーター

● AI演算

● バッテリー

● センサー  などが発熱する。

しかし宇宙では、空気で冷やせない。

つまり宇宙ロボットは、熱を抱えたまま動くことになる。

これはかなり厳しい。

■AI搭載でさらに熱が増える

今後、宇宙機器にもAI搭載が進む。

例えば、

● 自律航行

● 障害物回避

● 通信最適化

● 自律判断

● 探査解析 など。

つまり未来では、宇宙でAI演算が普通になる可能性がある。

しかしこれは同時に、宇宙で発熱することも意味する。

■研究者視点 宇宙用熱設計は全く別世界

現在研究されているのは、

● 放射冷却

● 高放熱表面

● 超軽量熱拡散材

● 真空対応材料

● 相変化材料

● 熱制御コーティング など。

つまり宇宙では、地上とは違う熱設計が必要になる。

■現場視点 理論通りにいかない

実際の現場では、

● 真空

● 放射劣化

● 熱膨張差

● 微細変形

● 長期耐久

● 振動

● 打上衝撃 など、極めて厳しい条件がある。

つまり、理論上成立と、宇宙で長期成立は全く違う。

■宇宙では軽さも重要

宇宙では、重量コストが極めて高い。

つまり、冷やしたいと、軽くしたいが同時に求められる。

これは非常に難しい。

■宇宙時代は 熱 × 軽量 × 信頼性 の時代

未来の宇宙産業では、

● 軽量

● 高耐久

● 高信頼

● 高放熱

● 真空対応 などが同時に必要になる。

つまり宇宙では、 熱 × 軽量 × 長期信頼性 の複合問題になる。

■OTIS視点で重要なこと

OTIS視点では、宇宙時代に重要なのは、

● 薄膜加工

● 微細加工

● 高精度貼り合わせ

● 軽量化

● 異種材料接触

● 熱対策材料加工

● 高精度積層

● 量産安定性 などである。

特に、薄く・軽く・高機能を成立させることが重要になる。

■OTISでできること

OTISでは、

● 微細加工

● 高精度打ち抜き

● 薄膜加工

● 高精度ラミネート

● 熱対策材料加工

● 軽量機能部材加工

● 異形状積層  などを通じて、宇宙向け機能部材の量産成立に貢献できる可能性がある。

■OTISの専門外

一方でOTISは、

● 宇宙船設計

● ロケット開発

● 宇宙AI開発

● 衛星制御

● 宇宙熱解析 を専門とする会社ではない。

しかし、宇宙向け機能部材を量産工程で成立させるという領域では、
重要な役割を担える可能性がある。

■まとめ

宇宙時代、人類は 冷やせない世界へ進む

宇宙産業は、今後さらに拡大していく。

しかし宇宙では、熱を逃がすこと自体が難しい。

つまり未来の宇宙競争は、どこへ行けるかだけではなく、

どれだけ熱を制御できるかでも決まる時代になるのかもしれない。

そしてその裏側では、熱の最後の0.1mmを支える技術が、
ますます重要になっていく。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません

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