PCR検査
この新型コロナウイルス感染の検査では、今となっては少し古い言葉かもしれませんが、「PCR」という技術が利用されています。
2020新語・流行語大賞の候補に「PCR検査」がノミネートされましたね。懐かしい言葉ですが、利用される機会はまだまだ続きそうです。
ところでこのPCR検査ですが、実際の検査の手法としては「リアルタイムPCR」という検査手法が利用されています。
PCRとは、「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」という意味ですが、ごくシンプルに説明すると「狙いのDNAを増幅(増や)してその(相対)量を知る」ということです。
この反応は単純な3つのステップで繰り返されます。
ステップ① DNAを分ける(熱変性)
DNAは、イラストなどでご存知の方も多いと思いますが、梯子が捻じれたような二重らせん構造(二本鎖DNA)をしています。実はDNAは、ある程度の熱(約90℃)を掛けると二本の鎖が各々一本ずつに分かれてしまいます(一本鎖DNA)。
ステップ② DNAにマーキングする(アニーリング)
一本になったDNAと周囲の温度を下げて(約60℃)いくと再びDNAはくっつこうとしますが、その隙に特徴のあるDNAにマーキングを挟み込みます。これが次のステップで重要な働きをします。
ステップ③ DNAをコピーする(伸長反応)
マーキングされたDNAと周囲の温度を再び上げて(約70℃)いくと、今度はマーキングを起点として酵素の働きにより、DNAがコピーされていきやがて二本のDNAが出来上がります。またこのとき、蛍光を発する物質を紛れ込ませると、複製されたDNAが蛍光を発するようになります。
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、PCRとは温度を上下させるだけでDNAを大量にコピーする方法になります。
そして、DNAの複製に伴って(リアルタイムで)増える蛍光の強さを測ることで、基となるDNAの相対的な量をリアルタイムで測ることができる、という仕組みです。
改善された技術
この温度制御装置を「サーマルサイクラー」と呼びますが、この装置を適切に稼働させるには「熱マネジメント」が非常に重要となります。
20年ほど前は筆者もこのPCR手法を利用して卒業論文を執筆しましたが、結果が出るまで8~10時間も掛かってしまっていました。ところが昨今ではPCR検査の結果は3~4時間で出るとのこと。
これは単純に、技術革新に伴う設備の能力向上だと思いますが、フィルム加工・テープ加工のオーティス株式会社でも、TIMやグラファイト等の加工に積極的に関わっております。
過去のブログもどうぞご参照ください。
PCRに代表されるような、「正確に温度を上げ下げし、さらに何度でも繰り返すことができ、小型である」といった装置を生み出すには、特に放熱・断熱に優れた部品が必要となりますが、これら部品が小型になればなるほど、寸法要求が厳しくなってまいります。
フィルム製品・テープ製品を得意とするオーティス株式会社では、寸法を±0.01mmでコントロールする技術を有しており、さらに幾つかの材料を積層させた状態で達成することができます。
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