製造業対抗ミニ四駆大会とは?
「製造業対抗ミニ四駆大会」は、製造業者が自社の技術を活かして改造したミニ四駆で競うレースイベントで、モノづくりの楽しさを広め、技術交流や次世代の人材育成を目的としています。参加者(企業・学校)は、自社技術を1つ以上取り入れたミニ四駆を製作し、専用コースでレースを行います。
電池制御アプリ「Mabeee」を使用し、スピードコントロールも可能。製造業の活性化と技術者の交流を促進し、会を重ねる毎に参加者は増加中。
今回、精密加工工業会のメンバー企業としていつもお世話になっている「狭山金型製作所」様からのお声掛けで大会に参加させていただきました。
初めて関東で行われる大会という事でしたが、入間市、入間市教育委員会、入間工業会のご協力をいただき、多くのワークショップや展示コーナーが設けられ、こどもも大人も夢中になれる一大イベントとなりました。
オーティス製造のミニ四駆
オーティスの技術チームが制作したミニ四駆マシンは2台。共にオーティスの得意とする技術を使っていながら、コンセプトも性能も全く違う特徴的なマシンに仕上がりました。
黒王號
1台目はミニ四駆の基本性能を上げる為に正常進化させ、モノトーンカラーで統一したスタイリッシュなその名も『黒王號』(※読み方:こくおうごう)
ウィングやホイール、バンパーなどのパーツをアルミブロックから削り出しで製作し、オリジナルのロゴマークと艶消しのブラック塗装を施し、ダークで力強いイメージに仕上げました。
P-1MP
2台目はオーティスの精密金型技術を活かして製作したダイカットプレスマシンとミニ四駆を融合させた重量級の機体『P-1MP』(※読み方:ピーワンエムピー)
ダイカットの金型をボディに搭載し、アタッチメントにセットする事で実際にフィルムのパンチ抜きが出来るマシンです。しかもジャンプ台で着地に失敗しても1回転して元に戻る機構を備えています。
ミニ四駆レースの結果
製造業対抗戦はただのミニ四駆レースではありません。日本のモノづくりの技術を詰め込んだ企業や学生が自分たちの技術力とプライドを掛けて本気で競うレースです。どれだけ改造費用を掛けても許されるマシンは見た目も性能も飛びぬけた魔改造車両が多数参加するのでそのコースも勿論普通ではありません。直角に近いコーナー、その直前のジャンプ台、10cm近く波のようにうねるゾーンに強制ブレーキが掛かる人工芝ゾーン、と多種多様な罠が張り巡らされたコースで一度もコースアウトせずに走る事は不可能な超ハードモード。
大会では速さを競うレースとドレスアップコンテストがあり、2台のマシンそれぞれの特徴を生かした走りをみせて会場を盛り上げましたが、健闘むなしく入賞には届きませんでした。他の参加企業や学生チームも斬新な発想と熟練したマシン操作で熱気あふれる接戦を繰り広げ、そう簡単には勝たせてもらえない大人の本気を見せつけられる結果となりました。熱戦の様子はYouTubeで見られます。
次なる挑戦
今回のイベントでオーティスが制作したミニ四駆は主にオーティスの金型製造技術を活かした金属切削部品を多用したミニ四駆です。1㎛単位で調整できる超高精度な複数の加工設備を駆使し、目に見えないような細部にまでこだわって仕上げました。
オーティス技術部・設備開発課、工程設計課の少数で始めたプロジェクトチームでしたが、かつてミニ四駆にハマっていた世代の技術メンバーが我こそはと自然に集まり、それぞれの強みを活かすマシンコンセプトの提案、パーツ設計を行い、熱中して2台のマシンを完成させました。ここには根っからのモノづくりが好きなメンバーが、日々の業務と同じフロー、設計思想で高い品質管理を実現したオーティスの【技術魂】が宿っています。
オーティスにはダイカットプレスの設備開発、金型製作、フィルム加工、テープ加工といった得意な技術が数多くありますので、次に挑戦する機会があればもっと多くの技術を詰め込んだロマン溢れるミニ四駆を制作したいと思います。
・・・実は7月に大阪万博でもこの製造業対抗ミニ四駆大会が開催されます。まだ出場するかは確定していませんが更なるチャレンジの為に日々技術の研鑽に努めていきたいと思います。