日本製造業に漂う過去の功績の寿命
日本はかつて、ブランド力を持つセットメーカーとして世界をけん引し、その功績を基盤に技術や設備が発展してきました。
しかし現在、その 過去の功績による寿命 が尽きつつあるように感じます。
これは単なる世代交代なのか、それともAIをはじめとする新しい技術潮流の影響なのか。明確な答えは出ませんが、次の競争原理に切り替わりつつあることは確かです。
そして改めて思うのは、ブランドを持つことこそが産業を支える土台であるということです。
ブランドは単なる知名度ではなく、長年にわたり積み重ねられた信頼・安心・品質保証の象徴です。
例えば、ドイツの工作機械や自動車産業はMade in Germanyというブランドを確立することで、今なお世界で高付加価値を維持しています。
アップルやテスラも同様に、製品性能だけでなく「ブランド体験」そのものが産業を押し上げています。
日本においても、かつてのソニーやトヨタの存在が産業全体の厚みをつくり、人材・技術・投資を呼び込む磁場となってきました。
つまりブランドは単なる市場シェア獲得の武器ではなく、産業そのものを支える基盤だということを強く再認識しました。
中国の国家戦略と産業台頭
一方で中国企業は、半導体をはじめ最先端分野を国家戦略として取り込み、装置や測定器の性能も急速に向上しています。
歴史的に見ても、国家が戦略的に投資を行えば産業は飛躍的に発展してきました。
加えて、最先端技術に投資している国では、それを支える付帯技術も一気に進化していく兆しがありました。これは産業全体の競争力を底上げする大きな流れだと感じます。
その一方で日本企業が問われるのは、「どの領域で確実に成果を積み上げ、どの領域で新しい挑戦に踏み込むか」という戦略の選択です。
これを同じ組織で両立できるのか、あるいは役割を分けるべきなのか。組織体制そのものを問い直す必要があると感じました。
教育・人材育成の差
もう一つ印象的だったのは、展示会に多くの学生団体が訪れていたことです。特に台湾やアジアの学生は、文系・理系を問わず理系教育を受けており、女性比率も高い。
国全体で理系人材育成に力を入れている姿勢が伝わってきました。(正確には、理系文系の区分けは日本ぐらいか)
一方、日本は理系進学率が低く、特に女性比率は顕著に低い状況です。これは人材不足を招き、成長の制約となっています。
教育と人材育成の差は、将来的な産業競争力に直結する課題だと強く感じました。
まとめと次回予告
台湾セミコンを通じて、
● 日本製造業に漂う「過去の功績の終焉」
● ブランドが産業基盤を支える重要性
● 中国の国家戦略による台頭と付帯技術の急速な進化
● 教育・人材育成の格差
という大きな潮流を改めて認識しました。
では、日系企業は何をすべきか。その答えについては、次回以降で考察していきます。
こういった視点での議論もぜひお願いできればと思います。
また、11月にはドイツで3件の展示会を回る予定ですので、そのあたりも含めて情報交換させていただければ幸いです。
ブログなので、かなりオブラートに包んで書いておりますので、議論の意見交換・深掘りから、Actionを語り合えれば嬉しいです。
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。



