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0章. 超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」
0-9. では、そもそも熱とは何か 〜なぜ未来産業は、最後に熱へ戻ってくるのか〜

材料・加工技術

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0章. 超未来予測編 「なぜ未来は熱で決まるのか」<br>0-9. では、そもそも熱とは何か 〜なぜ未来産業は、最後に熱へ戻ってくるのか〜

ここまで、AI、データセンター、ロボット、半導体、EV、宇宙など、さまざまな未来産業を見てきた。
そして、すべてに共通していたのが、熱だった。(私が熱について書いたから当然だが)
では、そもそも熱とは何なのだろうか。
なぜ未来産業は、最後に必ず熱問題へ戻ってくるのか。
ここからは、その根本へ戻ってみたい。

■熱とはエネルギーの移動

簡単に言えば、熱とは、エネルギーが移動している状態である。

例えば、

 ● 電気を使う

 ● モーターが動く

 ● 半導体が演算する

 ● バッテリーが充放電する と、エネルギーが使われる。

そしてその多くは、最終的に、へ変わる。

 

つまり熱とは、エネルギーを使った結果、最後に現れるものとも言える。

■人類は熱と戦い続けてきた

実は人類の歴史は、熱との戦いでもある。

例えば、

 ● 火を扱う

 ● 蒸気機関

 ● エンジン

 ● 発電

 ● 半導体

 ● AI

すべて、大量のエネルギーを扱う技術だった。

そしてその裏では常に、どう熱を制御するかが存在していた。

■なぜ高性能化すると熱問題が増えるのか

ここで重要なのは、高性能化=高エネルギー密度化という点だ。

例えば、

 ● より速く

 ● より小さく

 ● より高出力に

 ● より高密度に しようとすると、同じ空間に、より多くのエネルギーが集中する。

すると当然、熱も集中する。

つまり未来産業ほど、高性能と、高発熱がセットになる。

■問題は熱そのものではない

ここで誤解されやすいのは、熱いことそのものが問題ではない点だ。

本当に問題なのは、熱を逃がせないことである。

例えば、

 ● 小型化

 ● 高密度化

 ● 積層化

 ● 密閉化 が進むと、熱の逃げ場がなくなる。

すると、

 ● 性能低下

 ● 劣化

 ● 故障

 ● 安全性低下 などが発生する。

つまり熱問題とは、発熱問題というより、熱の逃げ場問題なのである。

■熱は見えない

さらに難しいのは、熱は見えないということだ。

例えば、

 ● 空気層

 ● 微細な浮き

 ● 接触ムラ

 ● わずかな段差 だけでも、熱性能は大きく変わる。

しかしそれは、目では見えないことも多い。

つまり熱問題とは、見えない問題でもある。

■なぜ接触が重要なのか

熱は、接触状態によって大きく変わる。

例えば、

 ● 密着している

 ● 空気が入っている

 ● 浮いている

 ● 段差がある だけで、熱の流れは変わる。

つまり熱対策では、何の材料かだけではなく、

どう接触するかが極めて重要になる。

■なぜ量産が難しいのか

ここで、未来産業が難しくなる理由がある。

それは、試作では成功しても、量産で崩れることが多いからだ。

例えば、

 ● 微細ズレ

 ● 圧力ばらつき

 ● 材料変形

 ● 接触ムラ

 ● 自動化ズレ

 ● 経年劣化 など。

つまり熱問題では、理論上成立と、

量産で成立が全く違う。

■未来は熱密度との戦いになる

AI。EV。ロボット。半導体。宇宙。

未来産業に共通するのは、小さく、高性能にしたいことである。

しかしそれは同時に、熱密度を上げることでもある。

つまり未来では、どれだけ高性能かだけではなく、

どれだけ熱を成立できるかが重要になる。

■AI時代は巨大熱文明になる

ここまで見てきたように、
AI時代は、

 ● GPU

 ● データセンター

 ● EV

 ● ロボット

 ● 半導体 など、あらゆる場所で、巨大な熱を発生させる。

つまり未来は、知能文明であると同時に、

巨大熱文明にもなっていく。

■研究者視点 : 熱制御技術はさらに重要になる

しかし現場では、

 ● 接触

 ● 浮き

 ● 微細ズレ

 ● 段差

 ● 熱膨張

 ● 量産ばらつき など、極めて現実的な問題が起きる。

つまり熱対策とは、良い材料を使えば終わりではない。

■熱対策は工程成立問題

本当に重要なのは、

 ● どう加工するか

 ● どう貼るか

 ● どう接触させるか

 ● どう量産するか

 ● どう安定供給するか である。

つまり熱対策とは、材料性能だけではなく、

工程成立で決まる。

■OTIS視点で重要なこと

OTIS視点では、熱問題で重要なのは、

 ● 微細加工

 ● 薄膜加工

 ● 高精度貼り合わせ

 ● 接触安定性

 ● 異種材料接触

 ● 自動化供給

 ● 量産安定性  など。

つまりOTISは、熱問題を量産で成立させることへ、向き合っている。

■OTISでできること

OTISでは、

 ● 微細加工

 ● 高精度打ち抜き

 ● 高精度ラミネート

 ● 熱対策材料加工

 ● 異形状積層

 ● 自動化供給対応 などを通じて、

熱の最後の1mmを成立させることへ、貢献できる可能性がある。

■OTISの専門外

一方でOTISは、

 ● 半導体設計

 ● AIアルゴリズム開発

 ● 発電事業

 ● 冷却装置設計

 ● 材料そのものの開発 を専門とする会社ではない。

しかし、熱問題を量産工程で成立させるという領域では、重要な役割を担える可能性がある。

■まとめ

なぜ未来産業は、最後に熱へ戻ってくるのか

未来産業は、今後さらに、

 ● 高性能化

 ● 小型化

 ● 高密度化

 ● AI化 していく。

しかしその結果、熱問題はさらに難しくなる。

つまり未来では、どれだけすごい技術かだけではなく、

どれだけ熱を成立できるかが重要になる。

そしてその裏側では、熱の最後の0.1mmを支える技術が、ますます重要になっていく。

そして、やっと次回から熱基礎編に入る。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません

 

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