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PROLOGUE なぜOTISは熱を語るのか
〜AI時代の本当の戦場は、知能ではなく資源・エネルギー・冷却かもしれない〜

材料・加工技術

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PROLOGUE なぜOTISは熱を語るのか<br>〜AI時代の本当の戦場は、知能ではなく資源・エネルギー・冷却かもしれない〜

いま世界は、AIの進化に熱狂している。
生成AI。
自動運転。
ロボット。
AI半導体。
次世代データセンター。

毎日のように、

「どのAIが賢いか」
「どの国が先行しているか」というニュースが流れている。

 

一見すると、これは知能競争に見える。

しかし、本当にそうなのだろうか。

 

実際に起きているのは、

知能戦争というより、資源・エネルギー・冷却競争に近い。

 

AIは、頭脳産業に見える。

だが実態は、超巨大な資源消費産業だと思う。

 

AIは、賢くなるほど、大量の計算を必要とする。

大量の計算には、大量のGPUが必要になる。

大量のGPUには大量の電力が必要になる。

そして、大量の電力は、最終的に大量の熱になる。

 

つまり、

AI性能向上


GPU増加

電力消費増加

発熱増加

冷却設備増加

さらに電力増加 という、巨大な循環が起きている。

 

ここで重要なのは、AIは無料の知能ではないということだ。

 

AIは、目に見えないソフトウェアのように見える。

しかしその裏側では、

・発電所

・半導体工場

・冷却設備

・データセンター

・水

・レアメタル

・電力網

・通信インフラ など、巨大な物理インフラが動いている。

 

つまりAIは、クラウドの中の魔法ではなく、現実世界の巨大工業ということだ。

 

実際、近年のデータセンターは、もはや単なるサーバー室ではない。

巨大な発熱施設に近づいている。

AIサーバー1台で、一般家庭を超える電力を消費するケースも増えている。

さらに、その電力の大半は熱になる。

つまりAIデータセンターとは、知能工場であると同時に、巨大な熱発生工場でもある。

 

だから今後、本当に重要になるのは、

どれだけ賢いAIを作れるかだけではない。

むしろ、

どれだけ電力を確保できるか

どれだけ熱を逃がせるか

どれだけ冷却できるか

の勝負になっていく可能性が高い。

可能性が高いというより、2035年くらいまでは、それが絶対条件になると個人的には言い切れる。

 

実際、世界はすでに動き始めている。

・原子力発電との連携

・地熱利用

・北極圏データセンター

・海底冷却

・液冷技術

・廃熱再利用

・水資源確保 など。

 

つまり未来は、AI開発競争であると同時に、

エネルギー確保競争であり、冷却競争でもある。

そういう視点で世界のニュースを見てみると、理解が深まると思う。

 

これはAIに限った話ではない。

EVは、急速充電と熱暴走の問題を抱える。

ロボットは、小型高出力化によって、関節部の発熱問題が増えていく。

半導体は、積層化によって、熱の逃げ場を失い始めている。

ウェアラブル機器や医療機器では、人体との距離が近づくほど、熱の安全性が重要になる。

 

つまり未来産業は、最後に必ず、熱問題へ戻ってくる。

 

そして熱問題は、単純な冷やす話ではない。

実際の現場では、

・良い材料なのに冷えない

・接触面の空気層が熱を止める

・微細な浮きや空気層で性能が変わる

・自動化工程で安定しない

・試作では成功しても量産でうまくいかない など、

理論だけでは解決できない問題が数多く起きる。

 

つまり熱対策とは、材料性能だけでは成立しない。

・加工精度

・接触方法

・貼り合わせ

・微細加工

・供給形態

・工程設計

・量産安定性まで成立して、初めて本当の熱対策になる。

 

OTISは、

熱材料メーカーではない。

冷却装置メーカーでもない。

半導体設計会社でもない。

しかし長年、

・高精度加工

・微細加工

・薄膜加工

・ラミネート

・自動化供給

・異種材料貼り合わせ などを通じて、

機能を量産で成立させることに向き合ってきた。

 

その中で、熱問題は常に重要なテーマであり、たくさんの実績を作って世界の技術進化へ貢献してきた。

 

この数カ月に及ぶ 熱シリーズでは、

・熱とは何か

・なぜ熱問題が起きるのか

・なぜ未来産業で重要になるのか

・なぜ理論通りにいかないのか

・なぜ量産で難しくなるのか

・熱と他性能はどう衝突するのか

・現場で何が起きているのか

を、研究・設計・量産・現場・未来予測まで含めて、できる限りわかりやすく整理していく。

 

このシリーズの本当のテーマは、熱問題を量産成立させる技術である。

さらにその先にある、未来の高性能社会を成立させる技術まで見据えている。

 

未来は、さらに高性能になっていく。

しかし同時に、より熱に苦しむ時代にもなっていく。

 

だから今後は、熱の最後の0.01mmを成立させる技術が、ますます重要になる。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

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