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10-4. Chipletアーキテクチャの登場

材料・加工技術

公開日:
10-4. Chipletアーキテクチャの登場

半導体の進化は長年、1つのチップにすべての機能を集積する SoC(System on Chip) という考え方で進んできた。
しかし微細化の限界や製造コストの上昇により、この設計思想にも変化が起きている。
その代表例が Chiplet(チップレット)アーキテクチャ である。

Chipletとは、機能ごとに分割した複数の小さなチップを1つのパッケージ内で接続し、システムとして動作させる設計手法を指す。
従来の「1つの巨大チップ」から、「複数の小さなチップを組み合わせる」構造へと進化している。

【1】なぜChipletが必要になったのか

従来の大規模SoCには大きな課題がある。それは 歩留まりと製造コスト である。

チップが大きくなるほど:

・欠陥発生確率が増える

・歩留まりが低下する

・製造コストが急上昇する

つまり、巨大な1枚チップを作るほど、製造リスクが高くなる。

Chipletでは機能ごとにチップを分割するため、各チップのサイズを小さくでき、歩留まりを改善できる。

【2】Chipletの基本構造

Chiplet設計では、1つのパッケージ内に複数のチップを配置し、高速インターコネクトで接続する。

典型構成:

・CPUチップレット

・GPUチップレット

・I/Oチップレット

・メモリインターフェース

これらがパッケージ内部で接続され、1つのプロセッサとして動作する。

【3】Chipletのメリット

Chipletアーキテクチャには多くの利点がある。

主なメリット:

・歩留まり改善

・設計の再利用性向上

・開発コスト削減

・異なるプロセスノードの組み合わせ

例えば、演算部分は最先端プロセスで製造し、I/O部分は成熟プロセスで製造することも可能になる。

【4】実際の採用例

Chipletはすでに多くの半導体企業で採用されている。

 

代表例:

・AMD EPYC(CPU Chiplet構造)

・Intel EMIB / Foveros

・Apple Mシリーズ(高度なパッケージ統合)

特にデータセンター向けCPUでは、Chiplet構造が主流になりつつある。

【5】Chiplet時代の課題

一方で、Chipletには新しい課題もある。

主な課題:

・チップ間接続の高速化

・電力効率

・パッケージ設計の複雑化

・熱管理

つまりChiplet時代では、トランジスタ設計だけでなく パッケージング技術 が性能の鍵を握る。

このため、半導体産業では 先端パッケージ技術(Advanced Packaging) が急速に重要性を増している。

【まとめ(10-4)】

・Chipletは複数チップを組み合わせる設計手法

・巨大SoCの歩留まり問題を解決できる

・異なるプロセスノードの組み合わせが可能

・パッケージ技術の重要性がさらに高まる

【理解チェック】

1.Chipletアーキテクチャとはどのような設計手法か?

2.なぜ巨大SoCでは歩留まりが問題になるのか?

3.Chiplet時代にパッケージ技術が重要になる理由は何か?

 

 

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

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