【1】実装工程の位置づけ
実装工程とは、完成したパッケージを、最終製品として成立させるための一連の工程を指す。
主な役割:
・電気的接続の確立
・機械的固定
・熱・応力の制御
・量産品質の保証
後戻りが効かない工程であり、小さなミスが大量不良につながる。
【2】代表的な実装フロー
一般的なフローは以下。
1.ダイアタッチ(Die Attach)
2.バンプ形成(Bump Formation)
3.実装(Placement)
4.リフロー(Reflow)
5.アンダーフィル / モールディング
6.検査(Inspection)
どの工程も独立しておらず、前後工程が強く影響し合う。
【3】ダイアタッチ工程
● ダイアタッチとは
チップを基板やリードフレームに固定する工程。
方式:
・接着剤(Agペーストなど)
・はんだ接合
重要ポイント:
・接着厚みの均一性
・ボイド抑制
・放熱性能
ダイアタッチ不良は熱抵抗増加 → 寿命低下に直結。
【4】バンプ形成工程
● バンプの役割
チップと基板を電気的・機械的につなぐ要素。
主な方式:
・はんだバンプ
・Cuピラー
課題:
・高さばらつき
・酸化
・形状不良
コプラナー性(平坦性) が実装成功の鍵。
【5】実装(Placement)工程
チップやパッケージを基板に配置する工程。
重要点:
・位置精度
・回転ずれ
・傾き
微細ピッチでは、数µmのずれが致命傷になる。
【6】リフロー工程
リフローは、はんだを溶融させ、電気的接続を完成させる工程。
課題:
・温度プロファイル管理
・ボイド発生
・はんだ濡れ不良
温度が高すぎても低すぎてもNG。
【7】ワイヤボンディングとの比較
● ワイヤボンディング
・工程が成熟
・コスト低
・高速・高密度に不向き
● フリップチップ実装
・高I/O・高速対応
・放熱に有利
・工程・管理が難しい
用途に応じた使い分けが重要。
【8】実装工程で起きやすい不良
代表例:
・バンプショート / オープン
・ボイド
・ヘッドインピロー
・ブリッジ
・実装ズレ
多くは条件管理・清浄度・材料管理が原因。
【9】検査・品質管理
実装後には:
・外観検査
・X-ray検査
・電気検査 を実施。
最近は:
・AI画像認識
・インライン検査 が導入されつつある。
【10】最新トレンド
・微細バンプ対応実装装置
・低温リフロー材料
・フラックスレス接合
・高信頼性実装プロファイル
・実装 × シミュレーション連携
【11】まとめ(6-10)
・実装工程は製品化の最終関門
・ダイアタッチとリフローが特に重要
・微細化で許容範囲が激減
・工程間連携が品質を決める
・量産視点の設計が不可欠
【理解チェック】
1.実装工程が「後戻りできない工程」と言われる理由は?
2.リフロー工程で温度管理が重要な理由は?
3.フリップチップ実装が先端パッケージで主流になった理由は?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
