TECH COLUMN 技術コラム

6章:半導体パッケージング技術
6-10. 実装工程(Assembly Process)

材料・加工技術

公開日:

半導体パッケージは、設計や材料がどれだけ優れていても、実装で失敗すれば製品にならない。
実装工程(Assembly)は、パッケージ技術を量産製品に変える最終プロセスである。

【1】実装工程の位置づけ

実装工程とは、完成したパッケージを、最終製品として成立させるための一連の工程を指す。

主な役割:

・電気的接続の確立

・機械的固定

・熱・応力の制御

・量産品質の保証

後戻りが効かない工程であり、小さなミスが大量不良につながる。

【2】代表的な実装フロー

一般的なフローは以下。

1.ダイアタッチ(Die Attach)

2.バンプ形成(Bump Formation)

3.実装(Placement)

4.リフロー(Reflow)

5.アンダーフィル / モールディング

6.検査(Inspection)

どの工程も独立しておらず、前後工程が強く影響し合う。

【3】ダイアタッチ工程

● ダイアタッチとは

チップを基板やリードフレームに固定する工程。

方式:

・接着剤(Agペーストなど)

・はんだ接合

重要ポイント:

・接着厚みの均一性

・ボイド抑制

・放熱性能

ダイアタッチ不良は熱抵抗増加 → 寿命低下に直結。

【4】バンプ形成工程

● バンプの役割

チップと基板を電気的・機械的につなぐ要素。

主な方式:

・はんだバンプ

・Cuピラー

課題:

・高さばらつき

・酸化

・形状不良

コプラナー性(平坦性) が実装成功の鍵。

【5】実装(Placement)工程

チップやパッケージを基板に配置する工程。

重要点:

・位置精度

・回転ずれ

・傾き

微細ピッチでは、数µmのずれが致命傷になる。

【6】リフロー工程

リフローは、はんだを溶融させ、電気的接続を完成させる工程。

課題:

・温度プロファイル管理

・ボイド発生

・はんだ濡れ不良

温度が高すぎても低すぎてもNG。

【7】ワイヤボンディングとの比較

● ワイヤボンディング

・工程が成熟

・コスト低

・高速・高密度に不向き

● フリップチップ実装

・高I/O・高速対応

・放熱に有利

・工程・管理が難しい

用途に応じた使い分けが重要。

【8】実装工程で起きやすい不良

代表例:

・バンプショート / オープン

・ボイド

・ヘッドインピロー

・ブリッジ

・実装ズレ

多くは条件管理・清浄度・材料管理が原因。

【9】検査・品質管理

実装後には:

・外観検査

・X-ray検査

・電気検査 を実施。

 

最近は:

・AI画像認識

・インライン検査 が導入されつつある。

【10】最新トレンド

・微細バンプ対応実装装置

・低温リフロー材料

・フラックスレス接合

・高信頼性実装プロファイル

・実装 × シミュレーション連携

【11】まとめ(6-10)

実装工程は製品化の最終関門

・ダイアタッチとリフローが特に重要

・微細化で許容範囲が激減

・工程間連携が品質を決める

・量産視点の設計が不可欠

【理解チェック】

1.実装工程が「後戻りできない工程」と言われる理由は?

2.リフロー工程で温度管理が重要な理由は?

3.フリップチップ実装が先端パッケージで主流になった理由は?

 

 

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。

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