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7-7. 電気特性評価(DC / RF / 高速信号)

材料・加工技術

公開日:

半導体は、見た目が正常でも電気的に壊れていれば不良。
だから検査の本丸は、最終的に必ずここへ到達する。
電気特性評価(Electrical Characterization)
チップ・パッケージ・実装体が、設計通りの電気性能を発揮するかを確認する工程である。

【1】電気特性評価とは何か

電気特性評価とは、電圧・電流・周波数・信号品質を測定し、

デバイス機能と性能を確認する技術

 

対象は大きく3領域:

・DC特性

・RF特性

・高速デジタル信号特性

微細化・高速化に伴い、測定難易度は年々上昇している。

【2】DC特性評価(直流特性)

最も基本となる評価。

主な測定項目:

・IV特性(電流-電圧)

・リーク電流

・しきい値電圧(Vth)

・オン抵抗(Ron)

・絶縁耐圧

 

評価目的:

・トランジスタ動作確認

・絶縁膜健全性確認

・ショート/オープン検出

 

使用装置:

・パラメータアナライザ

・プローバ(Wafer Test)

 

DC評価は、設計通り動くかの最初の関門

【3】RF特性評価(高周波特性)

5G、ミリ波、AI通信では必須。

GHz帯域での電気挙動を評価する。

 

主な測定項目:

・Sパラメータ(S11 / S21 等)

  • 挿入損失
  • 反射損失
  • 利得
  • 位相特性

 

評価対象:

  • RFチップ
  • アンテナIC
  • フロントエンドモジュール

 

使用装置:

  • ネットワークアナライザ
  • RFプローブ

 

パッケージ材料やRDL構造も、RF特性に大きく影響する。

【4】高速デジタル信号評価

AI・GPU・HBM時代の核心領域。

数十Gbps以上の信号を扱う。

 

主な測定項目:

  • アイパターン
  • ジッター
  • BER(Bit Error Rate)
  • 立上り/立下り時間
  • クロストーク

 

評価対象:

  • CPU / GPU
  • HBMインターフェース
  • SerDes回路

 

使用装置:

  • 高速オシロスコープ
  • BERT(Bit Error Rate Tester)

 

高速化するほど、配線・パッケージがボトルネックになる。

【5】PI / SI 評価との関係

電気評価は単体では完結しない。

重要なのが:

  • SI(Signal Integrity)
  • PI(Power Integrity)

 

SI評価:

信号波形が崩れていないか

→ 反射・クロストーク・減衰評価

 

PI評価:

電源が安定供給されているか

→ IRドロップ・電源ノイズ評価

 

先端パッケージでは、電源と信号は一体設計

【6】パッケージが電気特性に与える影響

影響因子は多い。

例:

  • RDL配線長
  • TSV抵抗
  • バンプインダクタンス
  • 基板誘電率
  • Low-k材料特性

結果として:

  • 遅延増大
  • ノイズ増大
  • 発熱増大

 

つまり、パッケージ=電気性能部品

【7】AIチップ時代の電気評価課題

特徴は3つ:

① 超高電流
  → 電源安定性が最重要

② 超高速I/O
  → HBM接続がボトルネック

③ 超高密度配線
  → クロストーク増加

評価は、チップ単体ではなくシステム全体で行う必要がある。

【8】量産検査との関係

電気特性評価は、量産歩留まりと直結。

 

主な不良:

  • ショート
  • オープン
  • リーク過大
  • 動作周波数不足

テスト時間短縮と精度維持が、量産の鍵になる。

【9】まとめ(7-7)

  • 電気特性評価は機能確認の核心
  • DC / RF / 高速信号の3領域で構成
  • 高速化でパッケージ影響が増大
  • SI / PI評価が不可欠
  • AIチップではシステム評価へ拡張

【理解チェック】

1.DC特性評価の主目的は何か?

2.RF評価で用いられる代表指標は?

3.高速信号でBERが重要な理由は?

4.なぜ先端パッケージが電気性能に影響するのか?

 

 

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