太陽電池の急激な普及に伴う新たな課題
再生可能エネルギーの普及を促進する政策手段として、FIT法が世界中で広く採用されています。
日本においても2012年に導入され、再生可能エネルギーの導入を加速させました。特に太陽光発電は急速に普及しています。
しかしその反面、太陽光パネルがいずれ膨大なゴミとなり、
環境負荷となるのではないかという懸念が生じています。
資源エネルギー庁の「出力低下およびFIT買取期間終了パネルの排出量予測」によると、
2036年頃には、17~28万トンもの太陽光パネルが廃棄される見込みとのことです。
こうした状況を踏まえ、2022年5月には、
環境省が使用済みパネルのリサイクルを義務化する検討に入ったと発表されました。
ペロブスカイト太陽電池の量産への近道
ペロブスカイト太陽電池は、2020年代半ばより量産が本格的に進むと見込まれ、
2035年には世界市場において、1兆円の市場規模になると富士経済は予測しています。
しかしペロブスカイト太陽電池の量産には課題があります。
前回の記事でも述べたように「安定性」の課題があるだけでなく、
ペロブスカイト太陽電池には鉛などの有害物質が含まれているため、
環境への影響や廃棄物処理の問題が懸念されています。
現在、鉛を含まないバイオペロブスカイトや鉛フリーのペロブスカイトに関する研究が
活発に行われていますが、その変換効率はまだ従来の鉛を含むペロブスカイトよりも劣るとされています。
このような課題を抱えるペロブスカイト太陽電池に期待されているのは、
「タンデム型太陽電池」の役割です。
タンデム型太陽電池は、異なる太陽電池を複合し、結果として発電効率を向上させるものです。
従来のシリコン型太陽電池とペロブスカイト太陽電池の吸光波長スペクトルが異なるため、
組み合わせることでより高い発電効率が期待されます。このような取り組みは、
排気量削減やペロブスカイト太陽電池の発展に寄与することが期待されます。
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