TECH COLUMN 技術コラム

【高耐熱テープ】ポリイミドテープの糊残り、ゴミ異物、変形で困っていませんか?

材料・加工技術

公開日: 更新日:

高温リフロー、熱圧着、ドライプロセスなど…。
電子部品やFPCの製造現場では、「耐熱テープ」を使う場面が増えています。

中でもポリイミドテープは、260℃以上の高耐熱性と絶縁性を兼ね備えた定番素材。
しかし、実際の現場ではこんな声がよく聞かれます。

「剥がすと糊が残ってしまう」
「収縮してズレる」
「貼ったときは良かったのに、加熱で反ってしまった」

今回は、ポリイミドテープを加工・使用する際の注意点と、オーティスが実践している対策について解説します。

1. ポリイミドテープとは?

主な特性:

基材:ポリイミドフィルム(厚み25~50μmが主流)

 

粘着剤:シリコーン系  or  アクリル系(耐熱グレード)

 

特徴:高耐熱・高絶縁・耐薬品性・柔軟性

 

一般的な仕様では、短時間260℃以上/連続使用200℃前後に耐えることが可能。

そのため、基板保護・金属マスキング・ヒーター用絶縁・リフロー工程などに幅広く使用されています。

2. よくあるトラブルとその原因

トラブル             原因例

糊残りが発生      高温で粘着剤が劣化/剥離角度が不適切/圧着力が弱い

加熱時に変形      材料収縮+剥離応力が過大/貼合時に空気が残る

フィルムが反る  粘着剤と基材の熱収縮率差/加熱順序が悪い

剥がれやすい      貼合面の面粗度不一致/シリコーン粘着剤との相性

 

特に「260℃対応」と書かれていても、加工条件や形状の設計次第で大きな差が出ます。

3. オーティスでの解決アプローチ

金型・形状設計で貼合時の歪みを吸収

・ポリイミドの熱伸縮を考慮し、形状変更し、逃がし構造などを追加

・接着面の応力が集中しないよう、剥離時の角度やピール構造も工夫

 

恒温環境での加工+検査

・ポリイミドテープは室温で数μm~十数μm伸縮するため、恒温下で加工/測定を実施

・AOIや高倍率顕微鏡で、ズレ/はみ出し/糊残りを全数確認

 

粘着剤に応じたライナー選定+貼合順最適化

・シリコーン系、アクリル系いずれの粘着剤にも対応

・貼合順・圧着条件・加熱タイミングまで含めた提案で、再現性を確保

4. 事例紹介(抜粋)

某電子部品メーカー様より

「ポリイミドテープの糊残りが検査工程でNGになる。歩留まりを改善したい」とご相談。

 

オーティスでは以下を実施:

・粘着剤特性に合わせて金型を再設計

・圧着+剥離工程を再構成し、剥離応力を1/2以下に削減

・恒温クリーンルームで全加工&検査対応

・自動貼り付け機対応の納入仕様設計

・海外工場までの輸送実験

・結果、不良率10%→0.2%まで低減し、量産移行へ。

まとめ:テープ品質だけでなく、お客様の使い方まで考えた設計が勝負を分ける

ポリイミドテープは、どれも一見「同じように見える」かもしれません。

しかし実際は、素材特性/粘着剤特性/熱応答性/剥がれ方など、細かな差が仕上がりに大きな影響を与えます。

 

オーティスでは、

・各種テープの物性把握

・材料ごとの形状設計力

・±0.01mmの加工精度

・金型・設備・検査まで自社で一貫対応

を通じて、「テープそのものより、最終的な精度・再現性」で応える技術支援を行っています。

ポリイミドテープ加工でお困りの方へ

・高温で糊が残る/剥がれやすい

・ ズレが出て歩留まりが安定しない

・特殊な貼合形状に合わせた金型設計を相談したい

・テープ素材は支給したいが、加工だけお願いしたい

などのお悩み、ぜひ技術者に直接ご相談ください。

 

 

コラム監修:角本 (オーティス株式会社)
工学部出身の技術営業なので、加工現場に根差した「営業 × 技術」の価値を追求してます。
国内外 年間100件以上の相談を受けるなかで、是非困っている企業の力になれれば嬉しいです。

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