TECH COLUMN 技術コラム

接着材と粘着材について

材料・加工技術

公開日: 更新日:

おはようございます。フィルム加工・テープ加工のオーティス株式会社です。
今回はオーティスが取り扱う粘着テープについての記事です。

接着と粘着

私達が日常で使用している接着剤と粘着材について、

「違いはなに?」と聞かれた時、説明できますでしょうか?

具体例を出すとわかりやすいですよね。

 

接着剤は瞬間接着剤を始めとする液状。
粘着材はセロテープを始めとするシート状。

更に粘着材は剥がすことができるイメージがありますが、
接着剤は剥がせない(しづらい)イメージがありますよね。

 

同じ、モノ同士をくっつける機能をもちますが、
それぞれ用途が異なります。

実は粘着材は接着剤の一種で、粘着材は感圧により接着を発現するものになります。

接着剤といえば瞬間接着剤が馴染みあると思いますが、

瞬間接着剤は湿気硬化で、水分と反応して接着します。
上記の様に接着の発現にはトリガーが必要とされ、
その他には熱硬化やUV硬化等があります。

接着のメカニズム

ところでモノ同士はどうしてくっつくのでしょう?

実は接着のメカニズムは解明されておらず、
大きくは3つのメカニズムで接着するとされています。

 

1.機械的接合
アンカー効果や投錨効果ともいわれ、接合する同士の表面の凸凹に接着剤が入り込み
固まることによって接着が成り立つという考え方です。

2・化学結合

接着剤と各被着材が、互いの電子を共有する、
つまり化学反応によって結合する考え方。

 

3.分子結合

分子間力やファンデルワールス力といわれる、
接着剤の分子と被着材の分子が引き合う力による接着の考え方。



以上のことからも、被着面の凸凹がある場合は液状である接着剤を用いて
機械的接合を期待できる一方、粘着においては凸凹が少ないことにより、
密着する表面積が多く接着の効果が期待できる(粘着層の厚みには依ります)等
素材や用途によって使い分けをします。

粘着テープの最大のメリット

私は元々接着剤メーカーに努めており、
現在はフィルム加工・テープ加工のオーティス株式会社に転職し、
主に粘着材を取り扱いしております。
接着剤と比較して粘着材の最大のメリットは
モノづくりにおける生産性に尽きると考えております。


接着剤を用いる場合はどうしても塗工といったプロセスが必要とされます。
それに対して、粘着テープは接合したいモノにラミネートし圧をかける(例外あり)だけです。

実は接着剤における塗工の難易度は高く、
塗工範囲やはみだし(フィレット)、厚みバラツキ等の管理が求められます。
しかし、設計における自由度は高いとはいえます。

一方、粘着テープは厚みにおいての選択の自由度は減るものの、
プレス加工において容易に必要とされる形状が得られ、
厚みバラツキも少なくはみ出し等を懸念する必要がありません。

より安定した品質の製品をより短期間で生産する上で
粘着テープの選択肢はモノづくりの実現に大きく貢献します。

 

フィルム加工・テープ加工のオーティス株式会社は
多種多様なフィルム、テープを取り扱っており、製品の設計段階において
様々なご提案をさせていただきます。
昨今では液状の機能性材料ではエンドユーザーに評価してもらえず、
フィルム化を要求されるケースが増えている様で、その様な開発品についても
フィルム加工・テープ加工のオーティス株式会社にてご提案対応させて頂いております。

 

モノを接合、ラミネートをご検討の際はお気軽にご相談ください。

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