【1】Foundryとは何か
Foundryとは、半導体の製造を専門に行う企業。
主な役割:
・ウェハ製造
・プロセス開発
・量産管理
・歩留まり改善
設計は行わない。
Fabless企業から設計データを受け取り、チップを製造する。
【2】Foundryモデルの誕生
1990年代まで、半導体企業の多くはIDM(設計+製造)だった。
しかし、
・設備投資の巨大化
・技術難度の上昇
・市場の多様化により、設計と製造が分離した。
この分業を成立させたのがFoundryモデル。
【3】代表的なFoundry企業
現在のFoundry市場は寡占構造。
主な企業:
・TSMC(台湾)
・Samsung Foundry(韓国)
・Intel Foundry(米国)
・GlobalFoundries(米国)
・SMIC(中国)
特にTSMCは世界Foundry市場の過半を占める。
【4】Foundryの主な工程
Foundryが行うのは前工程(Front-End Process)。
代表工程:
・成膜(Deposition)
・露光(Lithography)
・エッチング(Etch)
・イオン注入
・CMP研磨
これらを数百回繰り返し、数十層の回路構造を作る。
【5】プロセスノードとは何か
半導体の性能を示す指標。
例:
・7nm ・5nm ・3nm ・2nm(開発中)
これは回路の微細化レベルを示す。
小さいほど
・高性能 ・低消費電力 ・高密度になる。
【6】EUV露光の重要性
先端プロセスの核心。
EUV(Extreme Ultraviolet)露光
特徴:
・波長13.5nm
・超微細パターン形成
・装置価格300億円以上
この装置を作れるのはASMLのみ。
そのため、EUV装置は半導体産業のボトルネック。
【7】歩留まり(Yield)
Foundry経営の最重要指標。
歩留まりとは、良品チップの割合。
例:
100チップ作って80個が良品なら歩留まり80%。
歩留まりが低いと
・コスト増 ・供給不足 ・利益悪化 になる。
【8】Foundryビジネスの難しさ
難しい理由は3つ。
・設備投資が巨大
・技術更新が速い
・稼働率依存
最先端ファブは建設費2〜3兆円。
稼働率が下がると一気に赤字になる。
【9】Foundryと国家戦略
Foundryは国家安全保障と直結。
理由:
・AI
・軍事
・通信
・自動車
すべて半導体依存。
そのため、
・米国CHIPS法
・EU Chips Act
・日本ラピダス など国家支援が急増している。
【10】近年のFoundry競争
競争は激化。
主な軸:
・プロセス微細化
・先端パッケージ
・生産能力
特にTSMCはパッケージ(CoWoS)でも優位。
前工程だけでなく後工程との統合が進む。
【11】Foundryの未来
今後の焦点。
・2nmプロセス
・GAAトランジスタ
・3D積層
・Chiplet対応
さらに、設計と製造を統合するDTCOが重要になる。
【まとめ|8-3】
・Foundryは半導体製造専業企業
・Fabless設計をチップ化する
・TSMCが世界最大
・EUVが先端プロセスの核心
・設備投資と歩留まりが勝負
【理解チェック】
1.Foundry企業の主な役割は何か?
2.EUV露光が重要な理由は?
3.歩留まりがFoundry経営に与える影響は?
コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。
※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません。
