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1. 基礎編 熱とは何か
1-6. なぜ小型化すると熱問題が悪化するのか 〜未来産業は、小さいのに熱いという矛盾と戦っている〜

材料・加工技術

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1. 基礎編 熱とは何か<br>1-6. なぜ小型化すると熱問題が悪化するのか 〜未来産業は、小さいのに熱いという矛盾と戦っている〜

AI。
EV。
ロボット。
ARグラス。
ウェアラブル。
3D半導体。
未来産業には、共通する方向性がある。
それが、小さく、高性能にしたいということだ。
しかし実は、小型化は、熱的には極めて不利である。

ここを理解すると、
なぜ未来産業ほど熱問題が難しくなるのかが見えてくる。

■高性能化すると発熱は増える

まず前提として、

 ● AI演算

 ● 高出力モーター

 ● 急速充電

 ● 高速通信 など。

未来産業は、どんどん高性能化している。

つまり、扱うエネルギー量が増えている。

 

すると当然、発熱量も増える。

■しかし小さくしたい

ここで問題が起きる。

未来産業では同時に、

 ● 小型化

 ● 軽量化

 ● 薄型化も求められる。

つまり、発熱は増えるのに、

熱を逃がす空間は減るという矛盾が起きる。

■熱密度が急上昇する

ここで重要なのが、熱密度という考え方だ。

例えば、

同じ100Wの熱でも、

 ● 大きな空間で発熱

 ● 小さな空間で発熱 では、全く難易度が違う。

 

つまり未来産業では、

小さい場所へ、大量の熱が集中する 状態になる。

これが、熱問題を急激に難しくする。

■AI半導体は超高熱密度

例えばAIチップ。

現在は、

 ● 高密度化

 ● 積層化

 ● 微細化 が進んでいる。

つまり、小さい面積に、巨大な演算能力を詰め込む方向へ進化している。

 

しかしそれは同時に、

小さい場所へ巨大熱を閉じ込めることでもある。

■熱の逃げ道が細くなる

小型化すると、

単純に、熱の通り道が細くなる。

例えば、

 ● 放熱面積減少

 ● 接触面積減少

 ● 空気流路減少

 ● 材料厚み減少 など。

つまり、熱を逃がす能力が下がる。

■小さいほど接触が支配的になる

ここが非常に重要。

大型構造では、多少のズレや浮きがあっても、影響が小さい場合がある。

 

しかし未来産業では、

 ● 数十μm

 ● 数μm

レベルで、性能が変わる。

つまり小型化すると、

接触熱抵抗が支配的になっていく。

■数十μmが未来を止める

例えば、

 ● 微細な浮き

 ● 段差

 ● 圧力ムラ

 ● 空気層 だけでも、熱性能が大きく変わる。

つまり未来産業では、わずかな隙間が、

 ● AI性能

 ● EV寿命

 ● ロボット安定性

 ● 半導体性能

を左右する可能性がある。

■小型化すると冷却装置も小さくなる

さらに問題なのは、冷却側も小さくなることだ。

例えば、

 ● 小型ファン

 ● 薄型ヒートシンク

 ● 狭い空気流路など。

つまり、冷やしたいのに、

冷却機構を入れる場所がないという矛盾が起きる。

■人体装着型ではさらに厳しい

ARグラスやウェアラブルでは、

 ● 軽い

 ● 薄い

 ● 静か

 ● 快適 も必要になる。

つまり、大きな冷却装置を積めない

さらに、熱く感じてはいけないという制約もある。

これはかなり難しい。

■EVも小型高密度化している

EVでは、

 ● 高容量化

 ● 軽量化

 ● 長距離化 が進む。

つまり、より多くのエネルギーを、限られた空間へ詰め込む方向へ進化している。

すると、熱密度が上がる。

つまりEVも、小さいのに熱いと戦っている。

■ロボットは関節で苦しむ

ロボットでも、

 ● モーター

 ● センサー

 ● AI

 ● バッテリーを、狭い関節へ入れたくなる。

しかしそこでは、熱が逃げにくい。

 

つまりロボットも、小型化=熱問題悪化なのである。

■AI時代は熱密度文明になる

ここまで見てきたように、

未来産業は、高性能化と、

小型化を同時に進めている。

つまり未来は、熱密度がどんどん上がる文明とも言える。

■研究者視点 : 小さいのに冷やす技術が重要になる

現在研究されているのは、

 ● 超薄型TIM

 ● ベイパーチャンバー

 ● 液冷

 ● 放熱構造

 ● 熱拡散材料

 ● 高熱伝導材料 など。

 

つまり今後は、小さいのに熱を逃がせるかが重要になる。

■現場視点 : 小型化すると量産難易度が爆上がりする

実際の現場では、

 ● 公差

 ● 微細ズレ

 ● 浮き

 ● 圧力ムラ

 ● 材料変形などが、小型化するほど効いてくる。

 

つまり未来産業では、作れるより、安定して量産できる方が難しくなる。

■小型化すると異種材料界面が増える

さらに未来産業では、

 ● 金属

 ● 樹脂

 ● 接着剤

 ● TIM

 ● 絶縁 など、異種材料が増える。

 

すると、

熱膨張差

接触差

界面熱抵抗 などが問題になる。

つまり小型化とは、界面問題の増加でもある。

■OTIS視点で重要なこと

OTIS視点では、小型化時代に重要なのは、

 ● 微細加工

 ● 高精度打ち抜き

 ● 高精度ラミネート

 ● 異種材料接触

 ● 公差管理

 ● 圧力安定性

 ● 薄膜加工

 ● 量産安定性 など。

つまりOTISは、

小さいのに熱を成立させる工程へ向き合っている。

■OTISでできること

OTISでは、

 ● 微細加工

 ● 高精度打ち抜き

 ● 高精度ラミネート

 ● 熱対策材料加工

 ● 異形状積層

 ● 薄膜加工

 ● 自動化供給対応などを通じて、

小型高密度製品の熱成立へ貢献できる可能性がある。

■OTISの専門外

一方でOTISは、

 ● 半導体設計

 ● GPU開発

 ● EV設計

 ● ロボット制御開発 を専門とする会社ではない。

しかし、

小型化された熱問題を量産で成立させるという領域では、

重要な役割を担える可能性がある。

■まとめ

小型化とは、熱との戦いを難しくすることである

未来産業は、

 ● 高性能化

 ● 小型化

 ● 高密度化 を同時に進めている。

 

しかしその結果、熱密度が急上昇する。

つまり未来では、小さいのに熱いという矛盾が、

ますます大きくなる。

 

そしてその裏側では、

熱の最後の数十μmを、

どれだけ成立できるかが、極めて重要になっていく。

 

 

コラム監修:角本 康司 (オーティス株式会社)
語学留学や商社での企画開発を経て2011年にオーティス株式会社入社。経営企画部を中心に製造・技術部門も兼任し、2018年より代表取締役として事業成長と組織強化に努めている。

 

※本記事は教育・啓発を目的とした一般的な技術解説であり、特定企業・製品・技術を示すものではありません

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